2010年2月16日(火)「しんぶん赤旗」
石川タクシー
会社解散 全員を解雇
静岡 乗務員、雇用継続訴え
静岡県富士宮市の石川タクシー(富士急グループ)が突然、会社を解散し、37人全員を解雇したのは不当だとして、乗務員が事業の再開と雇用の継続を訴えてたたかっています。17日には会社と団体交渉が行われる予定です。
会社が解散を宣告したのは9日午前6時。乗務員に同日午前10時から説明会を開くことと、会社に立ち入ることができない旨を電話で通告してきました。
説明会には社長と弁護士が出席し、経営状況の悪化から存続は不可能だと説明するだけで、満足な質疑応答は行われませんでした。補償は、賃金1カ月分相当の解雇手当のみ。
会社は、敷地のほぼ全体がバリケードで封鎖され、ガードマンが監視しています。乗務員の私物も、警察に相談した一部の物以外はいまだに返却されていません。
同社で6年間働いていた男性(57)は、「病院に通いながら仕事をしている人も、病気の家族を持った人もいるというのに、会社側は乗務員を人間と思っていない。これまでよく利用してくださったお客様のことも裏切る行為だ」と憤ります。
自交総連石川タクシー富士宮支部の諏訪部みゆき執行委員長(57)は「今回の解散は、最低賃金を割り込むような違法な働かせ方とたたかってきた私たち組合をつぶすための偽装解散だと言われても仕方のない話だ」と指摘します。
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