2010年2月16日(火)「しんぶん赤旗」
トヨタ欠陥隠し明白
こっそり改良→批判あびリコール
穀田議員追及
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日本共産党の穀田恵二議員は15日、衆院予算委員会でトヨタ自動車によるプリウス・リコール問題を取り上げ、同社の「リコール隠し疑惑」にたいする政府の認識と監督・監視責任についてただしました。前原誠司国土交通相は、欠陥の疑いのある場合の検査体制の抜本的強化について検討すると表明しました。
穀田氏は、トヨタが命に直接かかわるブレーキについて利用者から苦情が多数寄せられていたにもかかわらず、国交省に報告することもなく、コンピューターの設計変更を「こっそり」おこなっていたと指摘しました。
「リコールにつながりかねない欠陥を、自動車会社の判断によって、バージョンアップと称して手直しし、世論の批判を浴びればリコールする」という、トヨタの「リコール隠し疑惑」を告発したのに対し、前原国交相は「(トヨタは)ユーザー視点が欠けていて機敏な対応ができなかった」などと述べました。
穀田氏は、政府の対応について、「会社の自主性任せにしていることが問題だ」と指摘。さらに、欠陥の疑いのある自動車の検査にあたる独立行政法人交通安全環境研究所のリコール技術検証部の正職員はたった1人、他の15人はすべて非常勤職員であることをあげ、強化をもとめました。
前原国交相は「非常に建設的な提起だ。調査のやり方を(質問の)趣旨も踏まえて改善すべきだ。検討する」と述べました。
穀田氏は、現在のリコール制度について「根本が『メーカーによる自主的な実施が基本』となっている。自主性任せにしないルール、当局による命令などの権限付与が必要だ」と重ねてもとめました。
■トヨタのリコールまでの経過
2009年
8月13日 千葉県松戸市の交通事故について「欠陥の疑いのある自動車による交通事故等」と千葉県警察本部より国交省(千葉運輸支局)に連絡
8月24日 国交省がトヨタに事故発生原因にかかわる調査・報告を指示
9月24日 トヨタが国交省に調査報告書を提出
9月25日 国交省が独立行政法人交通安全環境研究所リコール技術検証部に技術検証を依頼
12月10日 トヨタがプリウスの制動装置に関連するコンピューターの設計変更を指示
10年
1月7日 トヨタが変更された部品を完成
1月28日 トヨタが設定変更を製造ラインで開始
2月3日 米国でリコールが大問題になったのを受けトヨタが経産相に報告。これ以降、トヨタが国交省に苦情に関する資料を提出
2月9日 トヨタが国交省にリコール届け出
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