2010年2月14日(日)「しんぶん赤旗」
「陸山会」購入のマンション
小沢氏の所有に
不透明取引また 資産公開で判明
東京・港区の一等地
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が所有していた都心のマンションの所有権が昨年、小沢氏個人に移転していたことが、13日までにわかりました。政治資金で取得した不動産の政治家個人への資産移行という事態は、資金の不透明性がさらに問われることになります。
これは、登記簿や8日、公開された衆院議員の資産等報告書で判明したもの。
問題のマンションは東京都港区南青山2丁目、地下鉄「青山一丁目」駅から徒歩2分たらずの一等地にある「ラ・セーナ南青山」(12階建て)の502号室(33・17平方メートル)。
「小澤一郎」
小沢氏が2007年2月の記者会見で、陸山会が保有しているとして明らかにした12件の不動産の一つです。
登記簿によると、01年12月11日、同年10月31日に完成したばかりの同マンションを小沢一郎名義で取得しています。
当時、小沢氏は、12件の不動産の登記上の所有者がすべて自分名義になっていることについて、「法人格」のない政治団体名義では登記が認められないためだと説明、「私個人は不動産について何の権利も有さない」との確認書を「陸山会代表としての小沢一郎氏」と、「小澤一郎氏個人」とで交わしているとしました。
陸山会の08年分の政治資金収支報告書などによると、3320万円で購入、「事務所兼宿舎」として利用されてきたといいます。
ところが、8日の資産公開では、小沢氏は東京都世田谷区深沢と、岩手県奥州市の自宅、静岡県東伊豆町の土地、沖縄県宜野座村の土地のほか、初めて、この南青山のマンションを資産として記載したのです。
小沢氏は、07年2月、陸山会が多数の不動産を持ち、資産形成していることへの批判に対し、「献金してくれた皆さまのお金を資産として有効に活用することが、皆さまの意思を大事にする方法」とのべていました。
取得金額?
政治献金で購入した不動産が、小沢氏個人の資産になったわけです。今回の資産公開は、昨年の総選挙投開票日(8月30日)時点のもので、小沢氏が同マンションを陸山会から取得したのは、それ以前とみられます。なぜ個人資産としたのか、取得金額はどれほどだったのか、実勢価格にみあう金額だったのか―など疑問が残ります。
現在、陸山会は、東京都内だけでなく、仙台市、盛岡市などにも9件の不動産を所有しています。世田谷区深沢の「秘書寮」となっている土地の購入資金をめぐっては、石川知裕衆院議員ら現・元秘書が起訴され、ゼネコンの裏献金ではなかったのか、問題になっています。小沢氏側への資産移行は、陸山会の土地所有の不透明さをいっそう浮き彫りにしています。
民主・細野氏ら資産報告書訂正
民主党の細野豪志衆院議員は12日、先に公開された資産報告書の訂正を衆院事務局に届け出ました。静岡県三島市の土地を「209万円」から「30万円」に、同市の建物を「345万円」から「338万円」に変更。細野氏の事務所は「事務的な計算ミス」と説明しています。
同党の室井秀子衆院議員も、兵庫県尼崎市の土地を「19万円」から「1340万円」、同市の建物を「14万円」から「991万円」に改めました。公明党の西博義衆院議員は「該当なし」としていた預金と貯金を、「25万円」と「400万円」にそれぞれ訂正しました。