2010年2月13日(土)「しんぶん赤旗」

主張

小沢幹事長の責任

元秘書の離党でいよいよ重い


 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金事件で、政治資金規正法違反で逮捕・起訴された元秘書の石川知裕衆院議員が、民主党からの離党を表明しました。

 石川議員は起訴された政治資金報告書の虚偽記載は認めているといいますが、国会ではなんら説明していません。石川氏の説明責任とともに、とりわけ問われるのは小沢氏の責任です。自ら石川氏の離党届を受け取った小沢氏は「収支報告書のミス」などと、わい小化しようとしていますが、問われているのは小沢氏自身の説明責任と政治的・道義的責任です。

総額21億円余の虚偽記載

 石川氏を含め、小沢氏の3人の現・元秘書が逮捕・起訴された土地購入資金事件が、「報告書のミス」などで済ますわけにいかない重大な問題であるのは明らかです。もともと政治資金を国民の不断の「監視と批判」の下に置くための収支報告書に虚偽を記載すること自体、制度の根幹を危うくする重大犯罪です。しかも虚偽記載の疑いがもたれているのは総額で21億6900万円にも上る巨額の資金で、とても「ミス」などと片付けるわけにはゆかないものです。

 石川氏は「意図的に虚偽記載したわけではない」などと言い訳していますが、「意図的」でなく、これほど巨額の虚偽記載ができるなどとはとても信じられません。しかも、離党届を提出したあとの記者会見では、「党に迷惑をかけてはいけない」ということばはあっても、「国民に迷惑をかけた」ということばはありませんでした。政治家や政治家の秘書として、国民の信頼を裏切ったことが重大であり、国会と国民の前で事実を語ることこそ求められます。

 問題は小沢氏自身の責任です。小沢氏は、検察の捜査で虚偽記載の共犯については「嫌疑不十分」で不起訴とはなったものの、「シロ」ではありません。それなのに石川氏の離党届をひとごとのように受け取り、「ミス」などと発言するのですから恐れ入ります。自らの秘書が逮捕・起訴された以上、疑惑をもたれた政治家として、自らすすんで説明し、責任を明らかにするのが当然です。

 土地購入資金事件では肝心の資金の出所について、まだ解明がつくされていません。検察の捜査も資金の出所は公判で明らかにしたいとしているだけです。しかも、その資金の出所をめぐって、小沢事務所が「天の声」を出していた公共事業を受注したゼネコンからの裏献金などがあてられていたとの疑惑がもたれています。文字通り国民の税金の“還流”であり、予算を決める政治家に絶対あってはならないこととして、すべての事実を明らかにすべきです。それをしないで「不正な金はもらっていない」というだけでは、とても国民に責任を果たす態度とはいえません。

国会の証人喚問に応えよ

 検察の処分が決まり、石川氏が離党で追及を逃れようとする中で、求められるのは、国会での石川氏や小沢氏への追及です。

 「政治とカネ」をめぐる問題での集中審議が衆院予算委で行われましたが、小沢氏や石川氏が答弁しない審議では真相解明に限界があります。石川氏とともに小沢氏が証人喚問に応じ、公開の場で真相を明らかにすることが待ったなしの課題です。



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