2010年2月12日(金)「しんぶん赤旗」

家賃滞納→退去を強要 もう泣き寝入りしない

「追い出し屋」根絶を

大阪 被害者の会結成


 家賃滞納を理由に無断で賃貸住宅の鍵を交換したり、家財道具を持ち出したりして退去を迫る「追い出し屋」の被害が広がる中、被害者の救済と被害の根絶をと、「追い出し屋被害者の会」が11日、結成されました。大阪市中央区で開かれた結成総会には30人が参加しました。

 「ここはもうお前んちじゃない」。被害報告した埼玉県の50代の男性は2007年7月、滞納家賃の督促に来た管理会社社員に腕をつかまれてアパートから放り出されました。同年2月に「派遣切り」にあって収入を断たれ、家賃を滞納。「新たな仕事が決まったので少しずつ家賃を支払う」と説明しても社員は聞く耳を持ちませんでした。

 男性は、管理会社などを提訴。「被害にあってもどこに相談していいかわからずに泣き寝入りしている人はたくさんいる。会を多くの人に知らせたい」と訴えました。

 会の代表に就任した花房輝夫さんも昨年、家賃1カ月分の滞納で追い出されて一時野宿を余儀なくされ、現在家賃保証会社を相手に裁判中。「弱い者いじめをしてもうける追い出し屋は絶対に許せない。こんな被害を明日からなくすために少しでも役立てれば」と話しました。

 会の事務局長に就任した司法書士の河田真一さんは、不動産投資や非正規雇用の増大など、「追い出し屋」が横行する社会的背景を指摘。「追い出し屋の存在は許されない。1人でも多くの被害者を助けたい」とのべました。

 会では今後、被害者同士が学習、交流を通じて連帯し、被害対策を求めて国などの機関に要請していくことにしています。


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