2010年2月11日(木)「しんぶん赤旗」
消費増税
あおる自民
応じる民主
鳩山政権下で消費税増税に向けた“下地”が着々と作られつつあります。
自民党は消費税増税に固執し、国会で政府・与党にたいし増税をあおっています。
同党の林芳正政調会長代理は1月26日の参院予算委で、民主党政権から消費税増税にむけた議論の提案があれば「応じる準備がある」と表明。谷垣禎一総裁は1日の衆院本会議代表質問で消費税増税にむけて、「3年間もの時間を空費している余裕はない」と強調し、政府・与党に消費税増税を協議するための「社会保障円卓会議」を設置することを呼びかけました。
さらに、4日の参院決算委員会で自民党の丸山和也参院議員は「(在任期間中は消費税を上げないという姿勢で)本当にいいと思うのか」と増税をあおりました。
自民党による増税推進発言に呼応して、政府・与党内からも増税議論に拍車をかける発言が相次いでいます。
鳩山由紀夫首相は自民・林政調会長代理の求めにたいし「政府・与党の中でしっかりと議論することが必要だ」(1月26日)と表明しました。
大塚耕平金融副大臣は1月25日の民放番組で、「次の総選挙では与野党とも(消費税を)何%上げて、何に使うのかを明確に掲げて選挙ができそうな雰囲気になってきた」との見方を示しています。
さらに、菅直人副総理兼財務相は4日、自民・丸山議員の質問に「(ムダ削減を)今年、やれるところまで徹底的にやり、どうしてもそのときにこれではやっていけないということになった場合、徹底的に議論をして、しっかりとした(増税)案を掲げてたたかう」と応じました。
「ノー」の審判 参院選で
消費税をなくす全国の会事務局長・梅村早江子さんの話 鳩山内閣の閣僚が次期衆院選で消費税増税の審判を国民にあおぐと言い出しています。
国会では、自民党の谷垣総裁が消費税増税を政府・与党にあおり、鳩山首相が増税にむけた議論を表明する始末です。
先日の「会」の宣伝には、「小沢さんの何億もの政治資金の話は、つめに火をともす国民とはかけ離れている」「民主党は公約を守れ」の声がよせられ、署名が先月の倍近くになりました。
毎日の食べ物にも重くのしかかる消費税は命を切り刻む税です。
社会保障のための増税など本末転倒です。
総選挙を待つ前に、参院選でこそ消費税ノーの審判を下したい。
共産党
二つの聖域にメスを
鳩山内閣の主要閣僚から「消費税増税論議が必要」という声があがるのも、自民党から消費税増税を事実上検討する「円卓会議」の設置が提起されるのも、民主も自民も軍事費と大企業・大資産家に対する優遇税制の二つの聖域にメスを入れることができないからです。日本共産党の志位和夫委員長は2日の衆院本会議で、国民生活を支える財源をつくるために「二つの分野を『聖域』とする財源政策の抜本的転換を強く求める」と強調しました。