2010年2月9日(火)「しんぶん赤旗」
小沢氏預貯金0円
土地購入 4億円どう調達?
昨年夏の総選挙で当選した国会議員の個人資産が8日公開され、民主党の小沢一郎幹事長が定期性の預貯金などの金融資産を「なし」と資産等報告書に記載していたことが分かりました。
小沢氏は、資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、原資について「個人資産」とし、多額の預金や現金資産の一端を明らかにしましたが、資産公開が始まった1993年以降の報告書は一貫して「なし」。「国民の不断の監視と批判の下に置く」という公開制度のあり方を問うとともに、原資の不透明さを改めて浮き彫りにするものとなっています。
事件で東京地検特捜部は、陸山会が2004年10月の土地購入の原資とした4億円には「水谷建設」などゼネコン資金が含まれているとみて捜査を進めました。
しかし、小沢氏は「個人資産だ」と主張。1月23日、特捜部の事情聴取後の記者会見で「89年に銀行から引き出した2億円、97年に家族名義の口座から出した3億円、02年に家族名義から出した6000万円を事務所の金庫に保管し、04年10月には金庫に4億数千万円残っていた」と説明、疑惑を否定しました。
2度目の聴取を受けた後の2月1日の会見では、「91年に心臓病で四十数日間入院し、万が一という意識があり、(預金口座を)妻や子の名義にした」「贈与した認識はない」とのべ、「わたしの金」と強調しました。
しかし、過去7回の資産等報告書には預貯金、金銭信託ともに「なし」。資産が増えた場合の「補充報告書」も過去3回提出されましたが、いずれも「該当なし」。制度開始後の約16年間、小沢氏の金融資産は一度も表に出ていません。
では、いったい、どういうお金で土地を購入したのか―。小沢氏の説明や報告書どおりなら、資金を公開対象外の「たんす預金」にしていたか、公表義務のない当座預金や普通預金で保有していたことになり、これ以外なら虚偽報告にあたる可能性も出てきます。