2010年2月6日(土)「しんぶん赤旗」

「受注外し」小沢流“天の声”

ゼネコン関係者ら証言


 資金管理団体「陸山会」の土地購入事件で、民主党の小沢一郎幹事長は「嫌疑不十分」で不起訴となりましたが、東京地検特捜部は記者会見で「(土地の)購入原資を隠すことを目的にした事件だ」とのべ、焦点がゼネコンからの裏金と指摘される4億円の土地購入原資にあることを強調しました。公共工事利権の解明がいっそう重要になっています。ゼネコン関係者は小沢氏流の支配の構図を「巧みで強引だ」と訴えています。(「政治とカネ」取材班)


 「“天の声”といっても『この社を本命にしろ』というものではない。要するに仲間外れにされないため。そうされないように、東北支店経由で協力依頼が来たら応じざるをえない」

 こう証言するのは、談合にかかわってきたあるゼネコンの元幹部です。

 元幹部が恐れる「仲間外れ」。大成建設の東北副支店長にたいし、大久保隆規被告(小沢氏の公設第1秘書)が自分たちの影響下にある談合組織を「奥座敷」「土俵」と、呼んでいたと検察は指摘しています。

 東北地方ではゼネコン最大手「鹿島」を仕切り役とした入札の談合組織がありました。

 鹿島本社の幹部によれば、東北地方の大型公共工事の受注業者は、各社の談合担当者間で決めていました。

 しかし「本命」となっても小沢事務所が気に入らなければ、受注業者から外すよう求めてくることがありました。

 こうした小沢事務所の「本命外し」には鹿島側も断ることができず、名指しを受けた業者を除いた上で、本命業者を談合組織で決め直していたといいます。

 鹿島幹部は「小沢事務所はリスクを避けたうえで、最大限の影響力を行使してきた。入れることは難しくても、外すことは簡単にできた」と証言します。各企業からこぞって献金や選挙協力を引き出す、巧みな手法です。

 事件をめぐっては、中堅ゼネコン「水谷建設」からの計1億円をはじめ、胆沢(いさわ)ダム関連工事を受注したゼネコンからの裏献金疑惑が指摘されました。検察は「(土地購入原資が)どういう資金かは(衆院議員、石川知裕被告らの)公判で明らかにする」としています。


 入札談合 ゼネコンなどが、公共工事などの競争入札で、受注予定者に落札させるために入札価格や落札価格についてあらかじめ調整を行うこと。公の競売、入札の公正を害する行為として、刑法の談合罪にあたります。



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