2010年2月5日(金)「しんぶん赤旗」
保育所の外部調理容認を決定
構造改革特区推進本部 全国に拡大へ
政府の構造改革特別区域(特区)推進本部は4日に評価・調査委員会を開き、公・私立保育所の3歳児以上の給食について外部調理を全国で認める規制緩和を今年3月末までに行うなどの意見をまとめました。2月末から3月上旬にも政府方針として決定される予定です。
保育所給食の外部調理については、「子どもの状況に応じた食事の提供が難しくなる」と保育関係者が反対の声をあげていますが、「効率化」「経費節減」のために全国で容認するよう求めました。3歳児未満については引き続き特区での外部調理を容認し、弊害を取り除く方法を検討するとしています。
同推進本部は、特区で認められている規制緩和措置を全国に拡大するための検討を自公政権下からそのまま引き継ぎました。2009年度の検討事項とされた12件の規制緩和措置のうち、保育所給食のほか▽運動場や学生の休息などのための空き地がなくても大学を設置できるようにする▽障害者・障害児が介護施設の生活介護を利用できるようにする―など6件については全国展開を認める意見を決定。株式会社による病院・診療所・学校の設置容認など残り5件は再度「適切な時期」に評価を行うこととし、1件は今回評価を避けました。
構造改革特別区域(特区) 「特区」と認定した地域で、国民の安全や暮らしにかかわるものも含めて規制の撤廃・緩和を認める制度。「構造改革」の突破口として全国的に波及させる狙いで2002年に小泉政権が導入しました。