2010年2月4日(木)「しんぶん赤旗」
高リスク投資禁止が主眼
米金融規制案 上院委が公聴会
【ワシントン=西村央】米上院銀行住宅都市委員会は2日、オバマ大統領が1月に発表した、顧客から預金をあずかる銀行が高リスク投資に走ることを禁止する新金融規制案について、公聴会を実施しました。
ドッド委員長は「この法案の第一の目的は、銀行がヘッジファンドに投資したり、それを所有するなど、顧客サービスから離れた投資活動を禁止することだ」と表明。「米国経済を揺るがした金融危機を二度と繰り返すわけにはいかない」と強調しました。
オバマ政権の経済再生諮問会議を率いるボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「預金保護と流動性の提供という商業銀行の必須業務のために『セーフティーネット』を提供し、公共的利益を保全することが基本点である」と指摘しました。
さらに「大きすぎてつぶせない」として経営破たんしても救済され、それが経営幹部の道徳的節度の欠如(モラルハザード)を生むという問題への対処も考慮されたものであると述べました。
新規制案については、金融界からの強い抵抗があり、その意向を受けた共和党議員の反対の動きもあります。この日の公聴会で、共和党筆頭委員のシェルビー上院議員は大統領の提案に「ひどく当惑させられた」と語りました。
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