2010年2月4日(木)「しんぶん赤旗」

命脅かす政治変えよ

市田書記局長が代表質問 参院

後期医療 派遣切り 普天間基地 日米同盟


 「総理の言葉とは裏腹に『いのち』はいっそう脅かされている」――。日本共産党の市田忠義書記局長が3日、参院本会議で代表質問に立ちました。暮らしと平和の切実な問題で鳩山由紀夫首相の姿勢をただすとともに、解決の具体策を提起して決断を迫りました。(代表質問全文


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(写真)代表質問をする市田忠義書記局長。その奥は鳩山由紀夫首相=3日、参院本会議

 施政方針演説で「いのちを守りたい」と繰り返した鳩山首相に対し、市田氏は、いまお年寄りの負担は年々重くなっているとした上で、「後期高齢者医療制度廃止の約束ばかりか、保険料の負担を増やさないという約束まで反故(ほご)にするのは絶対に許せない」と迫りました。

 市田氏は医療についても、日本の窓口負担は、いまや「現役世代が3割、高齢者が1〜3割」という世界でも異常に高い水準になっており、医者にかかれないという「いのちの不安」が広がっていると告発しました。

 しかし、首相は、後期高齢者医療制度の廃止先送りを「約束違反ではない」と強弁。医療費についても、「ある程度の窓口負担はやむをえない」などと語りました。

 市田氏は、労働者の「いのち」を危機にさらしている「派遣切り」について、政府が提出予定の労働者派遣法の改正案をあげ、「製造業への派遣を認める限り、大企業の横暴勝手を止めることはできない」と製造業派遣の全面禁止への決断を迫りました。

 市田氏はさらに、国民の命を直接脅かす米軍基地問題を追及。沖縄の米軍基地の多くが無法に強奪された土地につくられたのに、普天間基地の「代替施設」として別の土地を差し出して返してもらおうという政府の態度について「あまりにも無責任、卑屈な態度と思わないか」と迫りました。

 また、米国の法律では許されない在日米軍基地の実態や、ドイツと比較しても不平等な日米地位協定の異常を具体的に告発。「(日米安保条約の廃棄前でも)少なくとも異常な関係はただちに是正されるべきだ」と要求しました。

 にもかかわらず、首相は、普天間基地について「代替施設なき返還は不可能」と「移設」先探しに固執する立場を表明。さらに、「在日米軍基地は米軍が抑止力を発揮する基盤。低空飛行訓練を含む各種訓練の実施は必要だ」「日米地位協定と第三国間の協定とを単純に比較することは難しい」と述べ、現状を是認する立場を示しました。

「政治とカネ」

 市田氏はまた、民主党の小沢一郎幹事長の疑惑について、「捜査を見守る」と繰り返す首相を追及。「刑事訴追を受けないなら何をやってもよいという立場なのか」と、小沢氏の政治的道義的責任の有無を政治の場で解明するための指導性の発揮を求めました。

 首相は「捜査を見守ることが総理としての立場だ」などと述べました。



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