教職員氏名の収集継続

県審査会の答申に従わず

　神奈川県教育委員会（平出彦仁委員長）は２日の定例会で、入学式などの「君が代」斉唱時に起立しなかった県立学校教職員の氏名等を県教委が情報収集・利用することは適切でないとした県個人情報保護審査会の答申に従わず、収集を継続することを決めました。

　この問題をめぐっては、県個人情報保護審査会・審議会が、３度にわたって氏名収集は「不適当」と答申。１月の審査会答申は、収集された情報を「異議申立人（教職員）の一定の思想信条を推知し得る情報」と認定し、これまでと同様、県個人情報保護条例で取り扱いを原則禁止としている情報との見解を示しています。

　定例会では、「海外で試合した時、子どもたちが、他国の国歌が流れると起立して、態度を示している」（具志堅幸司委員）、「服務上の問題として状況の報告があるのは不自然ではない」（宮崎緑委員）、「（教職員には）学習指導要領に従う形での指導を行ってもらいたい」（福田幸男委員）などとして、氏名収集の継続を求める意見が相次ぎました。山本正人委員（教育長）も、氏名収集を続けたいと述べました。

　県教委は、氏名収集の継続を決定し、審査会の答申を順守するよう求める請願を不採択にするとしました。

　決定について、異議申立人の外山喜久男さんは「条例を真正面から受け止めて、審査会・審議会の答申を尊重するところから議論すべきだ」と批判しています。

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