2010年2月2日(火)「しんぶん赤旗」
小沢幹事長 3時間の再聴取
家族名義の金、確認書の日付…
説明できず 新疑惑も
「検察当局からもう一度話を聞きたいという要請を受けた」―。民主党の小沢一郎幹事長は1日、民主党本部で開いた会見で、1月31日に東京地検特捜部に再聴取された事実を認めました。「政治とカネ」をめぐる疑惑にまみれた政権最大与党の実力者。前回聴取後の会見同様、今回の会見でもまともな説明はありませんでした。(森近茂樹)
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小沢氏は、同氏の資金管理団体「陸山会」が2004年10月29日、東京都世田谷区に購入した土地代金の原資とした4億円の出どころと、これを同年分の政治資金報告書に記載しなかった疑惑などについて説明を求められたとみられます。
前回の聴取は、約4時間半、そして今回も約3時間。「前回とほぼ同じ内容」について聞かれたという小沢氏。「知っている限りの事実、記憶している事実を包み隠さず申し上げた」といいますが、釈明に地検特捜部が納得していないことは、再聴取をしたこと自体に示されています。
今回の再聴取では、土地購入の原資とは別に翌年の05年に陸山会に入金された4億円についても説明が求められています。また、小沢氏個人が土地を持たない証拠とした「確認書」の日付が偽装された疑惑についても聞かれています。
小沢氏は会見で、それらの案件についても聴取されたことは認めましたが、「私が(検察に)説明し、答弁しております」と語るのみ。内容についてはまったく説明することができませんでした。
今回の会見では、脱税の疑いも記者から指摘されました。前回の会見で小沢氏は、土地の原資とした資金のなかに、家族名義で預金していた資金があるとのべていました。相続税や贈与税を支払ったのかを問われ、「資金は私のお金」と認めましたが、納税については口をにごしました。
結局、小沢氏は自らにかけられた疑惑について、まったく答えていません。そのうえ新たな疑惑がさらに噴出している状況です。
「私自身が刑事責任を問われるようなことになれば、非常に責任は重い」と語った小沢氏。それは当然のことですが、捜査の進展にかかわらず国会の場ですすんで説明責任を果たすことも求められているのです。