2010年2月2日(火)「しんぶん赤旗」

小沢氏、政治的道義的責任ふれず

国民の前で事実明かせ


 「私自身が刑事責任を問われるようなことになれば、非常に責任は重い」。民主党の小沢一郎幹事長は1日の記者会見で、土地購入資金をめぐる自身の疑惑についてこう述べたものの、政治的道義的責任にはまったく触れませんでした。

 一方で、「ヤミ献金とか裏金とか不正な資金は一切受け取っていない」と述べながら、疑惑の核心である土地購入の原資についてはまともな説明をしませんでした。

 たとえば、2007年当時、「陸山会」の不動産購入の原資は「政治献金」だとしていた小沢氏ですが、その後「銀行融資」から「積み立ててきた個人の資金」へと二転三転してきました。1日の会見では、「(説明が)変わったつもりはない」と強弁。「不正なカネを土地購入の資金に充てたのではという報道がどんどん出てきたものだから、『いや、そうじゃない』といい始めた」「報道がそういう形でなされるようになったものだから、この際、はっきり自分の自己資金だというべきだと判断した」と述べ、説明変更の責任を「報道」に押し付ける始末です。

 しかし、「しんぶん赤旗」の調査では、水谷建設関係者が5000万円を2回、小沢氏側に供与した事実が明らかになっています。ダム建設などの公共事業を食い物にし、税金を還流させる仕組みの中で蓄財してきたのではないかとの重大な疑惑が、小沢氏にはかけられているのです。

 世論調査(「毎日」1月30、31日実施)では76%が、小沢氏の元秘書の石川知裕衆院議員が起訴された場合、小沢氏が責任を取って幹事長を辞任すべきだと答えています。

 検察の2度の任意聴取に応じた小沢氏には、国民の前でも事実を明らかにする政治的道義的責任があります。民主党代表である鳩山由紀夫首相も1日、「自浄能力は当然、党として発揮しなければならない」と述べました。そうであるならば、小沢氏自身が国会で説明責任を果たすことはもちろん、民主党も同氏の国会招致を実現し、自浄能力を発揮すべきです。(林信誠)



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