2010年2月1日(月)「しんぶん赤旗」
西松建設との懇親会
小沢氏出席し謝辞
ダミー献金を認識か
関係者が証言
民主党の小沢一郎幹事長への西松建設のダミー(隠れみの)団体による偽装献金事件をめぐり、小沢氏が同社幹部らと懇親会に出席し、支援への謝辞をのべていたことが31日、複数の同社関係者への本紙の取材で明らかになりました。
小沢氏は昨年3月、公設第1秘書の大久保隆規被告が、違法献金事件で逮捕後、「私はまったく知りませんし、たぶん西松建設の経営トップの方々も面識ない」(2009年3月10日の記者会見)とのべ、西松経営陣との接点を否定。ダミー団体からの献金の趣旨を知らなかったと説明してきました。
しかし、懇親会は献金をふくめた小沢氏への支援を目的としたもので、その場で小沢氏が謝辞をのべたことは同社からの企業献金との認識を持っていた疑いを深めるものです。
小沢氏が出席した懇親会は、西松建設の東北地方の下請け企業20社でつくる「松和会」の集まりです。会合には、西松建設本社からも副社長ら幹部が参加していました。小沢氏は、参加者と名刺を交換しながら言葉を交わしていたといいます。
同会の会員で、懇親会に複数回参加した建設業者は「小沢さんを支援する者の集まりという趣旨だった。小沢さんはその席で『いつもお世話になっている』『支援いただきありがとう』とお礼を言っていた」と証言しました。
懇親会は毎回、東京都港区にある全日空ホテル(現、ANAインターコンチネンタルホテル)内の中華料理店で開催。小沢氏側からは本人と大久保秘書らが参加していたといいます。
この懇親会について西松建設の元中枢幹部は「小沢さん本人に西松のメッセージが届いたか確かめる場だった。定期的に献金をしているのだから、会えば献金したことの話に当然なる」と話しています。
また、元幹部は会合をひらく利点について「こういう大勢が集まる会合なら小沢さんがいても不自然ではない。何を話し合っていたのかも追及されにくい」と説明しました。
「松和会」の20社は毎年、各50万円ずつ総額1000万円を小沢氏側に献金。
1月13日の大久保秘書の公判で、証人として出廷した西松建設の元総務部長もこの懇親会に参加していたことを証言しています。
小沢氏はダミー団体からの献金について「どこから持ってきた金だとか、そういうたぐいの詮索(せんさく)はしない」とのべてきました。