2010年1月27日(水)「しんぶん赤旗」
タリバン指導者の名前
制裁リストから削除を
アフガン大統領が提案へ
ロンドンで開かれるアフガニスタン問題の国際会議を前に、同国のカルザイ大統領は25日、国連の「ブラックリスト」から反政府勢力タリバンの指導者を削除するよう提案すると語りました。またアフガンの国連トップと米軍司令官が、タリバンとの交渉や、タリバン関係者の将来の政権参加に言及しています。
カルザイ氏はトルコ国内で同国、パキスタンの両首脳と武装勢力対策について会談。終了後、記者団に「ロンドンでの国際会議で、国連の制裁リストから複数のタリバンの名を削除するよう提案したい」と述べました。
メディアはこの発言を、タリバンとの交渉に向けた動きだと伝えています。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版25日付)は、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)代表を務めるエイデ国連事務総長特別代表のインタビュー記事を掲載。そのなかで同氏も「武装勢力との直接交渉に向けた第一歩」として、国連の「テロリストのリスト」から何人かのタリバン指導者を外すことを提案しました。
アフガン駐留米軍のマクリスタル司令官は、タリバン指導者が将来政権に参加する可能性について、「将来に関して言えば、あらゆるアフガン人が役割を果たしていいと思う」と述べました(英紙フィナンシャル・タイムズ25日付)。
米軍は3万人をアフガンに増派する予定。マクリスタル氏は現状について「(タリバンとの)激しい戦闘が続いている」と指摘。「私たちの仕事は、アフガンの適切な統治を実現するための前提条件をつくることだ」と語りました。(安川崇)
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