2010年1月26日(火)「しんぶん赤旗」
「小さな町の選挙 大きな衝撃」
名護市長選 海外が注目
沖縄県名護市の市長選挙で、米軍の新基地建設に反対する新人の稲嶺進氏が当選したことについて、米主要紙や韓国メディアなどが注目し、いっせいに報じています。
米紙 幅広い意思の表れ
【ワシントン=西村央】米主要紙は24日の電子版でいっせいに報じ、稲嶺氏への支持が環境保護の活動家のみならず幅広い市民の意思の表れであると伝えています。
米紙の報道ぶりは、日本の一地方都市の首長選挙の結果としては異例なほど、重視したものとなっています。
ワシントン・ポストは「小さな町の選挙が日米関係に大きな衝撃をもたらすかもしれない」と指摘。「稲嶺氏の反基地を訴えた選挙運動は、日本共産党のみならず、環境保護の活動家や民主党と連立与党の地元の党員からも支持を得た」と報じました。
ニューヨーク・タイムズは選挙結果によって、「日本政府は(新基地建設を決めた)2006年の日米合意を廃棄するか、少なくとも修正せざるをえまい」と論評。「夏の参議院選挙を前にして、名護市民の審判は(日本の)国全体に影響を与える」と報じました。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「新市長への投票が基地計画を脅かす」と報じました。
韓国紙 「合意破棄」高まる
韓国メディアは25日、選挙の結果を受けて、鳩山政権が、普天間基地の「移設」を決めた日米合意を破棄する可能性が高まったと伝えました。
ハンギョレ紙は、選挙結果について、「鳩山政権発足後、日米間の最大の対立要因だった普天間基地問題が新たな局面を迎えた」と報道。「新基地を名護市に移転するとした両国間合意を破棄し、他の場所を物色する可能性も高まった」と指摘しました。
韓国日報は、「行き場を失った普天間基地」という見出しの記事を掲載。「既存の日米合意を破棄し、沖縄内外に、新しい移転地を模索する可能性が大きくなった」と報じました。
ネットメディアのプレシアンは、「同市長選では、過去3度、基地問題を争点として激しい接戦が行われたが、反対派が当選したのは初めてだ」と報道。「名護市の世論が、『移転反対』に傾いたことで、政権発足後、難航してきた基地問題の行方が注目される」と伝えました。