2010年1月25日(月)「しんぶん赤旗」
名護市長に稲嶺氏
民意は新基地反対
沖縄 自公現職との激戦制す
「沖縄にもう基地はいらない」という民意が力強く示されました。米軍新基地建設問題が最大の争点になった沖縄県名護市長選が24日に投開票され、米軍普天間基地「移設」の名による同市辺野古への新基地建設反対をかかげる稲嶺進氏(64)=新=が当選しました。日本共産党や民主、社民、社大各党などが推薦しました。自公両党が支援する建設容認の島袋吉和候補(63)=現=との大激戦を制しての歴史的な勝利です。
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投票直後の午後8時ごろから、地元マスコミの「当確」が出て、同市内の稲嶺進事務所はマスメディアと支援者でごったがえし、人だかりは膨らむばかり。
「ス、ス、ム」の掛け声と手拍子、指笛が鳴りやまぬなか、稲嶺氏は律子夫人とともに勝利宣言。かけつけた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員らとがっちり握手して、万歳をくりかえしました。
「みなさん、でかしたね」と稲嶺氏が開口一番呼びかけると、ひときわ大きな拍手と指笛が。さらに、「辺野古に新基地をつくらせないという約束を、しっかり信念をもって貫きたい」と話すと、「いいぞ」の掛け声が響き、喜びが爆発しました。
稲嶺氏は「基地頼みの地域振興策では市民の暮らしはよくならない」「公平公正、透明な市政へ変革しよう」という訴えも多くの有権者の心をとらえたと表明しました。
米軍新基地ノーを訴えた稲嶺氏の勝利は、名護市政の未来を開くとともに、基地のない沖縄と日本への第一歩を切り開きました。鳩山連立政権にたいし、辺野古であれ県内・国内であれ、米軍基地の「たらい回し」は認めないという強烈な民意を示しました。「世界一危険だ」と米側も認める海兵隊普天間基地の「無条件即時閉鎖・撤去」のための対米交渉を鳩山政権に迫る大きな世論となります。
名護市長選は、歴史的な「60年安保闘争」から50周年の節目の年初の一大政治戦でした。1997年12月の名護市民投票での基地ノーの審判以来の、この市長選の勝利は、「基地のない沖縄と日本」をめざす全国各地のたたかいに大きな展望を切り開きました。
同市長選の確定投票率は76・96%で、前回を1・98ポイント上回りました。
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