2010年1月24日(日)「しんぶん赤旗」
独オペル、ベルギー工場閉鎖発表
欧州全体で8300人解雇計画
労組が抗議 「一方的で道理ない」
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社、ドイツ・オペルがベルギーで操業する工場を閉鎖すると明らかにしたことに対し、労働者が撤回を求める抗議行動を展開しています。
閉鎖の方針は21日に発表されました。ベルギー北部にあるアントワープ工場を年内に閉鎖し、同工場で働く約2600人の労働者を解雇するという内容。労働者は、「一方的な決定だ」と批判し、抗議行動を始めました。
オペルのニック・ライリー最高経営責任者は、「閉鎖はビジネス環境の厳しい現実の一部だ」と説明。生産ラインを韓国に移転するとしています。同社は「経営の安定化」を理由に、約5万人いる従業員のうち欧州全体で8300人を解雇する計画。アントワープ工場の閉鎖はその一環とされ、今後、ドイツで4000人、スペインで900人などの解雇が計画されているといいます。
現地からの報道によると、労働組合は同日、「閉鎖は一方的で道理がない」と抗議。「(会社は)われわれを時代遅れの存在と扱っている」と述べ、工場を封鎖するなど抗議行動を強めています。
欧州労働組合連合(ETUC、36カ国82組織が加盟)は、同日発表した声明で、アントワープ工場が閉鎖されれば、関連する地元企業を含めると1万人もの人が失職する恐れがあると指摘。「ベルギーの製造業にとって大打撃であり、GMが決定を再考し、アントワープの職を守るためにできる限りのことをするよう求める」と述べました。
労組は会社側との交渉を求めており、来週にも協議が行われる予定です。
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