2010年1月23日(土)「しんぶん赤旗」
東京都予算原案
大型開発・築地移転を計上
雇用・暮らし支援なおざり
東京都は22日、一般会計で6兆2640億円(前年度比5・1%減)からなる2010年度予算原案を発表しました。特別会計、公営企業会計を合わせた全体は12兆4223億円になりますが、都民の雇用・暮らしの支援はなおざりに、3環状道路など大型開発に重点を置いています。
都税収入が2年連続で大幅に落ち込んだのに、東京外郭環状道路の建設の事業化予算や八ツ場ダム(群馬県)建設関連経費など投資的経費は8055億円(前年度比3・7%増)と、6年連続で増加。経常経費分を合わせた投資関連経費は1兆円を超えました。16年オリンピックの招致に失敗したにもかかわらず、基金4000億円は温存します。
都民や市場関係者の反対を押し切って、築地市場を高濃度の土壌汚染がある東京ガス工場跡地(江東区)に移転するため、用地買収・設計・土壌汚染対策費1281億円を盛り込みました。
教育庁予算は石原慎太郎知事の就任以降最低に減額。新生児集中治療室(NICU)を備えた清瀬・八王子など都立3小児病院の廃止を3月に強行します。雇用創出対策では、都独自事業を廃止し国の基金事業に限るなど不十分な内容です。
こうしたなかでも、東京だけが未実施だった少人数学級について、都民の運動と日本共産党の論戦を受け、小・中各1年生を対象に教員を加配し実施に踏み出しました。
日本共産党都議団の大山とも子政策調査委員長は「逆立ちした予算を抜本的に組み替え、暮らし、福祉、雇用を守るため全力をあげる」との談話を発表しました。