2010年1月21日(木)「しんぶん赤旗」

米 民主 牙城で敗北

オバマ政権に打撃

上院補選 安定多数割る


 【ワシントン=小林俊哉】米東部マサチューセッツ州で19日、上院補欠選挙が投開票され、野党・共和党のスコット・ブラウン同州議会上院議員が得票率約52%をとり、約47%の与党・民主党のマーサ・コークリー同州司法長官を破り、当選しました。今秋に控えた中間選挙をにらみ、オバマ政権にとって大きな打撃となりそうです。


 民主党は上院(定数100)で、法案の審議を打ち切り、採決を行う動議を可決するのに必要な安定多数(60議席)を割ることになりました。41議席目を獲得した野党・共和党は、議事妨害、審議の先延ばしが可能となります。オバマ政権が最優先国内課題とする医療保険制度改革法案をはじめ、気候変動対策法案など、野党側が結束して反対する法案が相次いでとん挫する可能性が出てきました。

 同選挙は民主党でリベラル派の重鎮だったエドワード・ケネディ議員の死去によるもの。同議員は半世紀近く民主党の議席を維持してきたことから、同州は民主党の牙城とみられていました。最終盤には、オバマ氏自身が同州入りし、同党候補のてこ入れをはかりました。

 米メディアは、高失業率や公的資金による自動車産業や金融業界の救済策、財政赤字の拡大などをめぐる現政権への批判票が野党側に流れたと指摘しています。敗北したコークリー氏の陣営からは、オバマ氏が公約した医療保険改革がなかなかすすまないことに加え、オバマ政権の対応が批判された航空機テロ未遂事件などが重なっての逆風となったとの嘆きの声が上がっています。

 支持率が漸減傾向にあるオバマ政権ですが、米CNN等が行った最近の調査では、オバマ政権1年をふりかえって「成功」だとする声が47%、「失敗」とする声が48%。米『ナショナル・ジャーナル』誌等の調査では、12年に行われる大統領選が今行われた場合、誰に投票するかとの問いにオバマ氏と答えたのが39%、別の候補者と答えたのが50%に上ります。


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