2010年1月20日(水)「しんぶん赤旗」
“いじめ根絶して”
被害者の会が文科省に要請
宮本・仁比両議員同席
「私たちのようにいじめに苦しむ子どもをこれ以上つくらないで」―学校でのいじめに苦しんでいる人たちでつくる「全国いじめ被害者の会」(大沢秀明代表)は19日、文部科学省にいじめ根絶のための要請を行いました。日本共産党の宮本岳志衆院議員、仁比そうへい参院議員が同席しました。
北海道や新潟など各地から、被害にあった子どもと保護者が集まり、いじめに対する学校の対応の問題をのべ、いじめの事実を訴えたらすぐにきちんと調査することと学校教育法第11条の「懲戒」という規定を行使して指導することを求めました。文科省はいじめる児童生徒に対する毅然(きぜん)とした指導をするよう「通達」を出していると答えるにとどまりました。
宮本議員が「1年前に同様の申し入れをして、調査すると約束した。その調査はしたのか」とただしたことにたいしても答えられませんでした。
要請行動後の記者会見で、いじめを受けた子どもたちが涙ながらに被害の実態を語りました。小学校6年生の女子は「自分がいってないことをいったといわれて、学年中に広められ、悪口をいわれた」といいます。いじめによってひざのじん帯を損傷した中学1年の男子は「けられたり、罵倒(ばとう)されたり。1回だけじゃなく何回も」といじめの実態をのべ、「私の学校は無法地帯。加害児童生徒がいじめなくなるようにしてほしい。被害者の人権をきちんと守ってほしい」と訴えました。
日本共産党との懇談で、仁比そうへい参院議員が一行をねぎらい、「子どもの命と人権が最優先されなければならないのに、そこがあいまいにされている。みなさんの声を絶対に無にしないよう力をつくしたい」とのべました。
「懲戒」 学校教育法は第11条で、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」としています。一般社会の懲戒とちがい、子どもの人間的成長のための教育的指導としての側面をもっています。日本共産党は、「いじめる子の行為は許されるものでなく、教育的指導をつよめるのは当然」とし、「いじめる子にたいする教育を放棄し、かれらを暴力、たかり等を常習とするような非人間的な状況で放置すること」を戒める提言を発表(1995年5月)しています。