2010年1月20日(水)「しんぶん赤旗」

主張

安保改定から50年

異常な従属打破し廃棄めざせ


 戦後日米で結ばれた旧安保条約を改定し、現行安保条約が1960年1月19日に調印されてから、50周年を迎えました。

 現行安保がうたい文句にした「平等・対等」はまったくのごまかしで、日本に異常な対米従属を押し付けるものでしかなかったことは、沖縄をはじめとする米軍基地問題をみても明白です。日米安保条約を「深化」させ、21世紀にわたってまでも外国の軍隊を駐留させ、国民を苦しめ続けるのは許されません。異常な対米従属の打破と安保条約そのものの是非を問う国民的議論が必要です。

「対等」いうなら異常正せ

 日米安保条約にもとづき首都・東京など日本全土に置かれている米軍基地は、爆音被害や米軍犯罪で国民を苦しめる元凶です。沖縄や岩国などの米海兵遠征軍や横須賀を母港とした空母打撃群、三沢の航空宇宙遠征軍をはじめとした在日米軍は、「日本防衛」とは無関係の、無法な軍事介入のための“殴りこみ”部隊です。

 米軍の特権を認めた米軍地位協定や、「世界一」気前のよい米軍駐留経費の負担、「米軍再編」の名による日米軍事一体化、経済的従属のしくみなども世界に類のない異常な特質です。核兵器積載の米艦や米軍機が日本に寄港し領海通過する権利を認めた「日米核密約」など密約と一体となった、不平等で侵略的な軍事同盟です。

 本来こうした異常な日米軍事同盟は、戦争を放棄し、国民に平和的生存権を保障した憲法と相いれません。鳩山由紀夫首相が「対等な日米関係」といい、オバマ米大統領も日米関係は「対等」というのなら、異常を放置し是正に踏み出さないなどというのは絶対に許されることではありません。

 とくに米国内法にも違反する基地運用や市街地での空母艦載機のNLP(夜間離着陸訓練)、全国をわがもの顔に飛び回り爆音をまき散らす低空飛行などはただちに正されるべきです。沖縄県民を苦しめる普天間基地の無条件撤去が求められるのも当然です。

 日米軍事同盟の世界に類のない異常な特質は、日米安保条約のもとでも緊急に正されるべきものです。同時に、その異常を正すたたかいの中で、根本にある安保条約そのものの是非を国民に問うていくことがとりわけ重要です。

 世界の軍事同盟は、この半世紀の間に多くが解体され、機能不全や弱体化に陥り、今日存在するアメリカとの軍事同盟は、日米などわずか四つしかありません。軍事同盟から抜け出し、平和の地域共同体をつくっていく世界的流れの中で、日米軍事同盟=安保条約を廃棄することこそ、国民の平和への願いに応える道です。

東アジアへ平和広げて

 安保改定50周年にあたり、日米政府は、日米安保がアジア・太平洋の安定と繁栄にも貢献するとの声明を発表しました。しかし、日米軍事同盟は、世界とアジアの軍事緊張を高める危険な震源地の一つです。アジアの平和とは相いれない存在です。

 アジアでは、武力行使の禁止と紛争の平和的解決を原則にした東南アジア友好協力条約にみられるように、平和の流れが大きくなっています。この流れを広げ、平和の環境を築いていく平和外交と一体に、安保廃棄の国民的合意をつくりあげる努力が重要です。



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