2010年1月18日(月)「しんぶん赤旗」
EU環境相会合
温暖化中期目標を検討
【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)は16日、議長国スペインのセビリアで非公式環境相会合を開き、コペンハーゲンで12月に開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の結果をふまえ今後の方針を検討しました。
EUはCOP15に向け、2020年までの温室効果ガス排出削減中期目標を「無条件で1990年比20%、他国も相応の取り組みを示すなら30%に引き上げる」ことを決定していました。
しかし、COP15で米国などがEUに相応する取り組みを示さなかったことを受け、今回の検討となりました。
セビリアからの報道によると、ベルギーは「20%減のままなら産業変革の機会を失う」(マニェット・エネルギー・気候変動相)として30%減への目標引き上げを主張したのに対し、イタリア、ポーランドは自国の企業に不利だとして引き上げに反対しました。英国のミリバンド気候変動相は条件付きで30%削減目標の維持を強く主張しました。
EUの執行機関・欧州委員会のヘテゴー気候変動担当委員候補は15日、欧州議会で、11月末にメキシコ市で開かれるCOP16までに、30%減への引き上げ条件が満たされることを望むと述べています。非政府組織(NGO)は、EUは08年に90年比約10%減を達成しており、その後の経済危機も経て「いっそうの削減が可能だ」と声を上げています。
COP15が「留意する」と決めた「コペンハーゲン合意」は、先進国の削減目標と途上国の削減行動の条約事務局への提出期限を1月末としています。
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