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2010年1月18日(月)「しんぶん赤旗」

名護市長に続投の資格なし


 17日告示された沖縄県名護市長選挙(24日投票)。米海兵隊普天間基地(同県宜野湾市)の「移設」を口実とする名護市辺野古への米軍新基地建設に反対する新人・稲嶺ススム氏(64)。対する新基地建設容認の現市長は、告示第一声の訴えなどから、続投の資格がないことが鮮明になっています。(洞口昇幸)


 現市長は第一声で、新基地建設の問題について、「地元のみなさんと県と相談して対処していきたい」と、容認である自らの立場をはっきり示しません。「5月に鳩山(由紀夫)総理が決めるといっているので市長選では(基地問題は)論戦にならない」(後援会本部長の比嘉鉄也元市長)と、市長陣営は従来通り争点をそらしています。

 しかし、鳩山由紀夫首相が、「名護市民の思いもしんしゃくしながら、最終的な結論をできるだけ早く導くように努力したい」(15日、首相官邸)と同市長選挙の結果を参考にすることを表明し、全国の名護市長選への注目は日に日に高まっています。

 この流れのなかで、住民のくらしと安全と命を守る責任がある首長を決める選挙で、基地問題について有権者にはっきりと姿勢を示さないのは無責任だと言えます。

 第一声で、真っ先に「辺野古の海には基地はつくらせません、ということをお約束する」と強調した稲嶺氏。稲嶺氏の勝利で、普天間基地の県内「移設」の余地を残す鳩山内閣に強固な民意を示し、基地問題に終止符を打とうという訴えは、これまでにないくらい保守、革新の立場を超えて広がりを見せています。

 国民の審判によって基地受け入れの代わりに地方自治体へ補助金などを出す「基地振興策」推進の自公政権から、民主党連立政権に代わり、「基地はリンクさせない」(前原誠司沖縄担当相)という方針の下で沖縄県の北部振興予算が70億円計上されました。

 自公政権と同調して「基地振興策」を進め、それを「成果」として誇る現市長では、基地頼みではない市民による自立的・持続的な発展の道を開く振興の転換はできません。

 さらに、現市長は、県外からの企業誘致とハコモノ行政を誇り、さらに進めることを第一声で訴えました。

 「基地振興策」としてこの約10年間で名護市に予算上では約400億円が投入されましたが、完全失業率などは悪化したまま。市内建設業者などが約10年余で33社倒産し、現市政の4年間においては19社が倒産しました。市街地のシャッター通りは改善していません。

 稲嶺氏は、「私たち一人ひとりの生活に結び付く振興策でないといけない。地域経済を底上げし、中小企業のみなさんにひとしく事業が分配され、名護市民の生活につながる振興策の実施をすすめていく」と、名護市の「希望のある公平公正で、みんなで信頼しあえる、支えあえる街づくり」の展望を示しています。


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