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2010年1月18日(月)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏秘書逮捕

国会での疑惑糾明は不可欠だ


 民主党の小沢一郎幹事長の現・元の秘書が、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金疑惑で逮捕されたのに、自ら疑惑を解明するどころか、あくまで「潔白」だと検察との「全面対決」まで主張する、小沢氏の反省のない態度に、批判の声が広がっています。

 小沢氏にかかわる疑惑は、収支報告書の記載を偽っただけでも重大なのに、資金の出所をめぐりゼネコンの裏献金なども指摘される根の深いものです。小沢氏が自ら疑惑を説明しようとしないのなら、18日から始まる通常国会での質問など国会での真相解明と政治的道義的責任追及も不可欠です。

主権者を裏切る重大犯罪

 政治資金をめぐる疑惑で与党の幹事長の事務所が捜索され、現在は衆議院議員を務める元秘書を含め、現・元の3人の秘書が逮捕されるというのは、ほとんど聞いたこともない重大事態です。

 疑惑は、「陸山会」が秘書の寮のために購入した土地の購入資金が、実際には小沢氏から出た資金で支払われていたのに、預金を担保に金融機関から借り入れた資金でまかなっていたように偽って届けられていたというものです。逮捕された元秘書は、収支報告書の届け出が虚偽だったことを認めているといいます。

 小沢氏は民主党大会のあいさつ(16日)で、収支報告書に間違いはあったかもしれないがあくまでも「形式的なミス」だと言い張りました。とんでもないことです。

 政治資金規正法で毎年の収支報告が求められているのは、政治資金を透明にし、政治家の活動を主権者である国民の不断の「監視と批判」のもとにおくためです。虚偽報告は重大犯罪です。虚偽報告を「形式的なミス」で済まそうとする態度には、なにより主権者である国民の批判に応えようとする姿勢がありません。

 しかも、小沢氏は「不正な金を使っているわけではない」といいますが、その資金の出所に重大な疑惑がもたれているのです。4億円という巨額の土地購入資金が小沢氏の資金だというならどのようにしてその資産を形成したのか、なぜ最初から小沢氏の資金とせず金融機関の貸し付けといったややこしいやり方をしたのか―解明すべき疑惑は山積しています。

 今回と同じ小沢氏の公設秘書が逮捕され公判中の「西松建設」からの献金事件では、小沢事務所が東北地方の公共事業の発注に「天の声」を出し、献金を受け取っていたことが指摘されています。現に「水谷建設」からの裏献金なども発覚しています。小沢氏にかかわる資金疑惑は、断じて「形式的」などではありません。

民主党に問われる自浄力

 重大な疑惑を解明しないで、小沢氏が与党の力を背景に、検察との「全面対決」などと脅しあげるのは言語道断です。しかも小沢氏は、昨年の総選挙をあげ「国民は理解してくれた」といいますが、選挙後表面化した疑惑まで選挙結果で正当化しようなどというのは、荒唐無稽(むけい)な開き直りです。

 最大与党の幹事長であり、衆院議員でもある小沢氏の疑惑を解明するのは、国会の責務でもあります。国会は小沢氏の参考人招致など手段をつくすべきです。

 民主党は、自らの自浄力が問われる重大な問題として、党としても疑惑を調査、公表すべきです。



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