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2010年1月15日(金)「しんぶん赤旗」

どうすすめる温暖化防止 COP16へ(下)

対策の具体化が課題に

どうする日本


 橋本良仁・公害地球懇代表団団長 もちろん日本にとってデンマークがそのままお手本というわけではなく、デンマークの経験から何を教訓として学ぶかが大事だと思います。その意味で、温暖化対策を政府主導でなく、国民がつくってきた点は重要ではないでしょうか。

車の両輪として展開すること

 今後、日本で運動を前進させていく上で、もっと学習することと、温暖化対策の法律制定を求める署名運動をもっと広げることを、車の両輪として展開することが必要だと思います。学習では、まだまだ十分な知識をもちえない人々を対象に、小学校高学年なら理解できるようなDVDをつくるなどをしたいと考えています。

 笠井亮衆院議員 その点は大事ですね。日本ではまだまだ、温暖化懐疑論の本がいろいろ出ていますし、マスコミ関係者と話をしても、その影響があります。温暖化問題は解明し尽くされていない問題もありますが、全面的に分かってからでは手遅れになるということで、「予防原則」に立って対策が進められているわけですね。今回のCOP15の合意でも、「科学の到達点を認識して気温上昇を2度以内に抑える」という内容が入った点は大事だと思います。

 川合きり恵弁護士 私はCOP15に参加して視野が開けた気がします。公害問題でもそうですが、温暖化でも被害に直面している人たちから話を直接聞くことが、私自身を成長させてくれます。これからの仕事で、いろんな相談を受けても、おじけずに活動していきたいです。

 橋本 鳩山政権ができて、日本の温室効果ガス削減の中期目標が2020年までに1990年比で25%減になったのは良かったと思います。大事なのは、その目標を実現する対策をどう具体化するかです。その前提として、「京都議定書はもう終わった」といった主張が出ているのには注意する必要があります。

 京都議定書で日本は、12年までに6%削減というはっきりした目標を義務付けられています。ところが現実には9%も増やしている。なぜそうなっているのか。全体の8割を排出している産業界はじめ、政府、国民の役割を明確にして取り組む必要があります。

議定書を踏まえ発展させる責任

 笠井 年末のメキシコでのCOP16に向けて、京都議定書を採択した京都会議の議長国でもある日本こそ、議定書を踏まえ、それを発展させる責任があります。ところがCOP15には財界も代表を送り、「京都議定書が続くなら、日本政府は帰国すべきだ」と圧力をかけました。連合系組合もCOP15に行って同じような主張をしたようです。

 政府は25%目標を出した時は世界で歓迎されましたが、COP15では存在感はありませんでした。中国には物を言いましたが、先進国で最大の排出国である米国に、もっとやれと働きかけたことはありませんでした。

 米国に物が言えず、大企業の言いなりという日本政治の二つの害悪が、温暖化問題でもはっきり現れていると思いました。この点で、遠慮なしに主張ができる日本共産党の役割は、温暖化対策でも大きいと痛感しています。これから始まる通常国会の論戦を含めて、COP15参加の経験を生かしていきたいと思います。(おわり)



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