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2010年1月14日(木)「しんぶん赤旗」

主張

土地資金疑惑

小沢氏は国民に説明すべきだ


 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金疑惑に関連し、東京地検特捜部が、「陸山会」事務所や献金にかかわったと見られる大手ゼネコン「鹿島」などをいっせいに強制捜索しました。資金疑惑問題の重大な展開です。

 小沢氏は、「私どもは法に触れることをしたつもりはない。国民の皆さんも理解してくれる」というだけで、疑惑について満足な説明をしていません。検察当局の捜査に応えるとともに、まず政治家として、説明責任をつくすべきです。

公党の幹事長の異常事態

 政権党でもある公党の幹事長が、資金管理団体の事務所などの捜索を受けるなどというのは、まったく異常な事態です。検察が通常国会の開会を目前にしたこの時期に強制捜索に踏み切ったのは、小沢氏が任意の事情聴取に応じなかったなどの事情もあるとみられます。しかし、「鹿島」など大手ゼネコンも対象になっていることから見て、政治資金収支報告書の虚偽記載にとどまらず、土地購入資金の出所そのものにメスを入れようとしているのは明らかです。疑惑の根は極めて深刻です。

 「陸山会」は、2004年10月、東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入しました。政治資金収支報告書には約4億円の定期預金を担保に4億円の融資を受け、土地代金を支払ったと届けられていたのに、実際の支払いは融資の前で、政治資金収支報告書の虚偽記載の疑いとともに、資金の出所に疑惑がもたれていました。

 小沢氏の元秘書で「陸山会」の事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員は虚偽記載を認め、資金は小沢氏の資金だったと説明したといわれます。そうなると、いったい小沢氏がどのようにして巨額の資金をためこんだのか、いよいよ出所が疑わしくなります。

 小沢氏をめぐっては準大手ゼネコン「西松建設」からの企業献金を偽装して届け出た問題で、小沢氏の公設第1秘書が逮捕、起訴され、公判中です。裁判では、検察側の冒頭陳述などで、小沢事務所が東北地方の公共事業発注で大きな力を持っており、その「見返り」に献金を集めていた疑惑を浮き彫りにしています。

 今回、大手ゼネコン「鹿島」などが捜索の対象となったのも、こうした疑惑と決して無関係ではありません。土地購入と同じ時期などには、中堅ゼネコン「水谷建設」の関係者が、小沢議員のもとに1億円を届けたなどの疑惑も、「しんぶん赤旗」日曜版の取材で明らかになっています。土地購入資金の疑惑は、徹底して明らかにされるべきです。

民主党も解明責任果たせ

 政治家が、政治資金について透明性を求められるのは、政治資金の公開を通じて、自らの政治活動を不断に国民の批判と監視の下に置くためです。政治資金に疑惑を残したまま、政治活動で国民の利益を貫くことなどできるはずがありません。

 小沢氏とともに問われるのは民主党の責任です。民主党は、鳩山由紀夫代表(首相)の献金疑惑についてもあいまいにしたままです。代表も幹事長も政治資金に疑惑をもたれ、満足に解明しないなどというのでは、まさに公党としての資格と自浄能力が問われます。



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