2010年1月12日(火)「しんぶん赤旗」
失業率低下の背景
求職あきらめる人の増加
雇用情勢のあまりの厳しさに、求職活動をあきらめる人が増加傾向にあります。このことが、完全失業率を低下させる役割を果たしています。
労働力調査詳細集計の2009年7〜9月結果によると、所定期間に求職活動をしなかったため、失業者には含まれない人の中で「適当な仕事がありそうにない」とする人は163万人で前年同期にくらべ15万人増加。このうち、「今の景気や季節では仕事がありそうにない」としている人が前年同期比13万人増の22万人となっています。こうした人たちの増加で、統計上では失業者数が減少することになります。
求職活動をしなかったなどで、失業者に含まれない人の中で、就業を希望している人は483万人です。これらの人たちを失業者と考えた場合の失業率は11・9%にのぼります。
通常のように完全失業率を計算した場合の5・4%の倍以上の水準になります。
また、完全失業者のなかでも、「条件にこだわらないが仕事がない」とする人は、前年同期比30万人増の51万人、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする人が20万人増の61万人となるなど、雇用情勢は一段と厳しさを増してきています。
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