2010年1月12日(火)「しんぶん赤旗」
公設派遣村
住居探し・職… 相談会
ワンストップの会
国と東京都の「公設派遣村」入所者の生活再建に向け、全労連や全国ユニオンなどの労働組合や市民団体でつくる「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)は11日、東京都大田区の臨時宿泊施設内と、新宿区の日本青年館の2カ所で相談会を行いました。宇都宮弁護士も参加し相談を受けました。
電気工事などをしていた男性(38)は、目の障害を負ってからまともな仕事につけず、駅ホームから落ちてから松葉づえをついています。「宿泊施設から福祉事務所に行く途中、道に迷って野宿しました。連絡も取れず困っているところを宿泊施設の仲間に見つけてもらい、帰れました。“無断外泊”扱いされるのは心外です」
「住居探しや生活保護を受けながらマッサージなどの職業訓練を受けられないか相談に乗ってもらいたい」と話していました。
勤めていた建設会社が倒産し、「公設派遣村」で命をつないだ男性(34)は「生活保護申請は昨年していますが、福祉事務所から保護決定の通知がまだ。宿泊施設の閉鎖に間に合うのか心配です」。施設から遠いため住居探しに新宿のネットカフェに2日間外泊して戻ってきました。「お金を持ち逃げしたように言われるのは実態と違います」と訴えました。
民医連の医師らが健康相談に参加。糖尿病なのにインスリンが残りわずかな人に病院を紹介するなど、親身に話を聞いていました。医師の小西潤さん(31)=大田病院=は「通院する必要のある人が、貧困のために病状を悪化させています。お金の心配なく受診できる対策が必要です」と語りました。
代々木病院の大葉清隆事務長は、「健康悪化をきっかけに失業し住まいを失う人がいます。生活再建にも健康が重要です」と強調しました。
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