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2010年1月11日(月)「しんぶん赤旗」

ガザ情勢 緊迫

イスラエルまた空爆

4人死傷 トンネルも標的


地図

 【カイロ=松本眞志】パレスチナ自治区ガザ南部ラファのエジプト国境の地下トンネルをめぐり情勢が緊迫しています。イスラエル軍は7日深夜から8日未明にかけてこの地下トンネルやガザ市、ハンユニスを空爆、パレスチナ人3人が死亡、1人が負傷しました。

 イスラエルのガザ地区空爆は4人が死傷した5日の空爆に続くもので、ガザ市内への空爆は昨年の大規模攻撃以来初めて。イスラエル側は市内に兵器工場があったとして攻撃を正当化しています。

 地下トンネルについて、イスラエルはガザ地区を支配しているイスラム武装抵抗組織ハマスが外部からの武器持ち込みに使用していると主張。ハマスは、イスラエルの経済封鎖のために「トンネル貿易」に依拠せざるをえないと訴えています。

 エジプト政府は、2007年のハマスによるガザ地区武力制圧後、ラファ検問所の閉鎖を続けています。背景には、ハマスとの関係が深いエジプトの非合法イスラム主義組織「ムスリム同胞団」への影響に対する懸念があるとされます。

 ハマス側は、検問所封鎖に地下トンネル構築で対抗、「トンネル貿易」を活発化させてエジプト側から生活物資も密輸してきました。当時のオルメルト・イスラエル政権は、エジプト側が武器の密輸を黙認していると非難、実力行使も示唆しました。

 エジプト側は昨年12月、地下トンネルはエジプトの主権と安全保障にかかわる問題だとして境界線に沿って地中に鉄板を埋め込む作業を開始、全長14キロのうち5キロに地下障壁を完成させました。ハマス側は「住民を死に追い詰める壁だ」と批判しています。

 海外の非政府組織(NGO)が昨年12月、イスラエルのガザ攻撃1年を期して、ガザ住民との連帯を目的にエジプト領内からガザに入ろうとし阻止されました。今年に入っても支援物資を積んだ車でガザ地区に入ろうとした海外NGOとエジプト治安当局が境界に近いアリーシュで衝突し、双方に負傷者が出ています。またラファではガザ地区側からの銃撃を受けたエジプト治安要員1人が死亡しています。


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