2010年1月11日(月)「しんぶん赤旗」
主張
成人の日
新しい時代ひらくみなさんへ
新成人のみなさん、おめでとうございます。21世紀の新しい時代を生きるみなさんの前途を、日本共産党は心から応援します。
若者が政治を動かす
みなさんは、働くこと、学ぶこと、これからの人生に、さまざまな期待や願いに胸をふくらませていることでしょう。同時に、いまの日本の社会で自分の願いが実現できるのか、不安を感じているのではないでしょうか。
昨年は、若者、国民の切実な願いが、社会と政治を動かす力を発揮しはじめる歴史的な年になりました。容赦ない派遣切り、雇い止めなど若者を「使い捨て」にしてきた大企業の無法に、非正規の若者が労働組合にくわわり、たちはだかる流れが大きく広がりました。貧困と格差が広がるなか、若者、国民は、総選挙で、大企業いいなりの自公政権にピリオドをうつ歴史的な審判をくだしました。
今後の日本の政治に紆余(うよ)曲折はあるでしょうが、若者、国民の切実な願いと運動の発展が、新しい政治をうみだす大きな流れをつくりだすでしょう。とりわけ大きな希望は、「自己責任」論に苦しめられ、バラバラにされてきた若いみなさんが交流と連帯をきずき、学び行動にふみだす新しい芽が、雇用や学費、憲法・平和の運動などに生まれ、政治を動かす力になってきたことです。
「派遣村に救われた」という若者が、みずからの生活の再建にとりくみながら、仲間の輪のなかで心をひらき、「今度は自分たちが支える側に」とたちあがっています。
「たたかってこそ道はひらける」「有権者の一票が政治を動かす」―2010年は、この流れをいっそう前にすすめるかどうかが問われる年です。
新成人のみなさんの前に立ちはだかる現実は厳しさをましています。“超氷河期”の就職難で、数十社に申し込んでも内定ゼロ。「社会から必要とされていないのでは」と悩む学生が少なくありません。働く若者の半数は非正規雇用で、企業に「調整弁」のように使い捨てられ、不安にさらされています。正社員も、多くがノルマと残業におわれ、疲れ果てています。高すぎる学費で、中退や進路変更においこまれる学生、高校生がふえています。
しかも、この苦しみは「自分の努力が足りないから」「人に頼るなんて甘えている」などと思わされ、心まで傷つけられています。
これらは、みなさんの責任ではありません。若者に冷たい政治や社会のあり方に、苦しみの原因があります。日本の政治は、派遣など「使い捨て」の労働を広げ、大企業が空前のもうけをあげるのを後押ししてきました。この10年間で、企業の内部留保(ためこみ金)は200兆円から400兆円へと倍増しています。労働者派遣法の抜本改正、学費負担の軽減などをもとめる若いみなさんの声と運動を大きくひろげるときです。
参院選で願い実現へ
7月には、参議院選挙がおこなわれます。「人間らしく働きたい」「お金の心配なく学びたい」「基地のない平和な日本に」などの切実な願いにこたえる新しい政治への扉をひらく大事な選択です。日本共産党は、若いみなさんの願いや悩みに心をよせ、力をあわせて、若者が大切にされる、「国民が主人公」の日本へ全力を尽くします。