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2010年1月10日(日)「しんぶん赤旗」

主張

名護市長選

「基地のない沖縄」につなぐ道


 沖縄県名護市長選の告示(17日、24日投開票)まで、あと1週間となりました。

 市長選は平和・基地、地域振興、民主主義などを争点にたたかわれます。市民が「新基地ノー」の意思を改めて示す機会であるとともに、「基地のない沖縄」「基地のない日本」にもつながる大事な政治戦です。広範な市民に支えられ、新基地反対を表明している稲嶺ススム氏の勝利に力を尽くすことが求められています。

前進する県民世論

 国民は昨年の総選挙で自公政権を退場させ、沖縄では自公の衆院議員が姿を消しました。この審判が県民のたたかいをさらに前進させています。昨年11月8日2万1千人が集まった沖縄の県民大会は「普天間基地の即時閉鎖・撤去」「辺野古への新基地建設と県内移設に反対」を改めて確認しました。

 選挙後誕生した鳩山由紀夫政権は、米が要求した基地問題の昨年中の決着は先送りしたものの、新基地建設も捨てず、迷走と動揺を繰り返しています。「日米同盟絶対」論に縛られ、普天間基地の「移設条件付き返還」に固執しているからです。国民・県民の世論を高めることがいよいよ急務です。

 こうした中、年末の沖縄の地元紙が「期待感を失望感に変えるな」と主張(「琉球新報」12月29日付)するなど、県民の世論はいっそう前進を見せています。鳩山政権は海兵隊が「抑止力」だといって無条件撤去の要求を拒否しますが、県民の間では、「海兵隊は沖縄にはいらない部隊」(安里繁信・日本青年会議所会頭、「沖縄タイムス」12月28日付)だとの見方が強まっています。「日米同盟」にたいしても、県民の世論調査(「琉球新報」11月3日付)で、「維持すべき」は16・7%にとどまり、「破棄すべき」や「平和友好条約に改めるべき」が50%以上を占めます。

 名護市長選での稲嶺候補の勝利が、普天間基地を撤去し、「県内たらい回し」を許さないたたかいを大きく加速させることは間違いありません。再選をめざす現職市長は辺野古への最新鋭基地の建設を受け入れた人物で、県民・市民の願いに応えることができません。

 市長選の重大な争点となっている地域振興でも、「基地依存」が市民の生活と地域経済を衰退させているのは明らかです。新基地建設受け入れの見返りに、名護市はこの11年間に386億円もの振興予算を受け取っているのに、特定の企業と本土のゼネコンだけがもうかり、地元の建設会社も倒産が相次いでいます。失業率は2けたを超し、市の借金は08年には220億円近くにもなりました。

 基地を撤去させ「基地依存」から脱却した北谷町では、基地跡地の利用で商業を発展させ、雇用も税収も格段に伸ばしています。「基地依存」の脱却こそ活性化につながる最良の道です。

全県と全国の連帯強めて

 沖縄県民はかつての祖国復帰闘争で、島ぐるみのたたかいで不可能に見えた条約の壁も乗り越えた経験を持っています。県民・国民のたたかいで、普天間基地の無条件返還を実現するのは決して不可能ではありません。

 市長選で市民の意思をきっぱり示してこそ、普天間基地の無条件撤去と「基地のない沖縄」につながります。そのためのすべての県民や本土との連帯が重要です。



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