2010年1月10日(日)「しんぶん赤旗」
紙袋で1億円 秘書2人に
小沢氏側へ水谷建設ヤミ献金
全日空ホテルで紙袋に入れた現金5千万円を2回、計1億円を秘書に渡した―。重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の関係者が赤旗日曜版編集部に、民主党の小沢一郎幹事長秘書にヤミ献金を渡した状況を詳しく証言しました。日曜版1月10日号で報道しています。
水谷建設は、小沢氏の地元、岩手県奥州市で国が建設中の胆沢ダム(総事業費2440億円)の2工事(堤体盛立、原石山材料採取)で下請け工事を受注しました。
水谷建設関係者によると、2工事の入札後の2004年10月20日ごろと翌05年4月末ごろ、水谷建設幹部が小沢氏の秘書(当時)にそれぞれ紙袋に入れた5千万円を渡しました。
渡した場所は2回とも東京都港区赤坂の東京全日空ホテル(現、ANAインターコンチネンタルホテル東京)の飲食店内。渡した相手は、1回目が当時、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の事務担当者だった石川知裕・民主党衆院議員。2回目が、当時、「陸山会」の会計責任者で現在、公設第1秘書の大久保隆規被告。大久保被告は、準大手ゼネコン・西松建設をめぐる違法献金事件で公判中です。
水谷建設関係者は「胆沢ダムは小沢事務所の影響力が強かったので、下請け工事の受注をじゃまされないようにあいさつにいった」と語っています。この水谷建設からの1億円について陸山会の政治資金収支報告書に記載はありません。政治資金規正法では、企業献金は政党と政治資金団体しか受けられず、陸山会で受けていた場合は、寄付の質的制限違反に問われます。
水谷建設からのヤミ献金は、疑惑が浮上している陸山会による土地取引との関係でも注目されています。
東京地検特捜部は、石川氏と大久保被告を任意で事情聴取をしています。水谷建設からのヤミ献金について小沢氏は記者会見で「そのような事実はない」と全面否定。水谷建設は「お答えすることはできません」としています。
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