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2010年1月7日(木)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏資金疑惑

国民の疑問に答えていない


 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金についての疑惑が、相次いで報道されています。東京地検特捜部は、同会の事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員や、会計責任者だった公判中の大久保隆規公設第1秘書から事情を聴取し、大手ゼネコン数社の取り調べも始めたといわれます。

 疑惑をもたれているのは億単位の巨額の資金です。複雑な資金の流れや出所は解明されていません。なんといっても不可解なのは小沢氏自身から満足な説明が聞こえてこないことです。国民が納得できる疑惑の解明は不可欠です。

流れも出所も不明なまま

 疑惑の発端は「陸山会」が2004年に東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入したのに、同年の政治資金収支報告書には記載されていなかった問題です。翌年の報告書には「陸山会」が4億円の定期預金を担保に金融機関から4億円を借り入れ、土地代金に支払ったように記載されていましたが、実際の取引は借り入れの前で、もともとの土地代金などの出所は不明のままでした。

 昨年末、東京地検特捜部の任意の取り調べを受けたといわれる石川議員は、政治資金収支報告書への不記載を認め、土地代金にあてた資金はもともと小沢氏の「貸付金だった」と説明したもようです。政治資金の流れを透明にするための報告書に記載せず、うそを届け出ること自体、政治家として許されない重大犯罪です。

 しかもことはそれだけにとどまりません。昨年末以来の一連の報道で明らかになったのは、「陸山会」が土地取引の前後、小沢氏関連の複数の政治団体を経由して数億円の現金を集めており、これらの資金の流れや出所も不明で、届け出られていません。同じように複数の政治団体を介在させた巨額の資金操作は土地取引の翌年にもあり、それも報告書には記載されていません。

 これらの資金と石川議員が説明したといわれる小沢氏の「貸付金」との関連はどうなるのか。07年には「陸山会」が小沢氏に4億円を支出していたという報道もあり、借入金の返済だった可能性もありますが、なぜその時期だったのか。なにより小沢氏がどのようにしてそうした巨額の資金を集めたのかは、依然なぞのままです。

 小沢氏をめぐっては大手ゼネコンなどからの巨額の献金疑惑が指摘されているほか、新生党から新進党、自由党と結党・解散を繰り返す間に、政党助成金を含む使い残した政治資金数十億円が「行方不明」になっているという指摘もあります。資金の流れや出所を明らかにすることは、国民に対する責任として、あいまいに済ますことは絶対許されません。

企業献金禁止の実行を

 小沢氏は、準大手ゼネコン「西松建設」からの献金を、個人献金と偽装した疑いでも、大久保秘書が逮捕され、公判中です。その後も公共事業発注に絡むゼネコンからの裏献金などの疑惑が次々明らかになっていますが、小沢氏は説明を拒否してきました。

 いまこそ小沢氏は、すべての疑惑を国民の前に説明すべきです。同時に、自ら約束した企業・団体献金の全面禁止に本気になって取り組むかどうか、与党の幹事長としてもその責任が問われています。



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