2010年1月7日(木)「しんぶん赤旗」
放射線作業
海上では否定せず
横須賀基地原子力空母 米司令官証言「訂正」
米海軍横須賀基地(神奈川県)に原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の推進プラントの修理施設(CIF)が存在することを認めたキーティング米太平洋軍司令官の議会証言が、議事録で訂正されていたことが分かりました。
問題の証言は、昨年3月19日の米下院歳出委員会軍事建設小委員会の公聴会で行われたもの。同司令官は、原子力空母の推進プラントに関連して放射線管理が必要な装置や部品の修理を行う「管理工業施設」(CIF)があることを認め、「それがない場所には原子力空母を恒常的に駐留させない」と述べていました。
これに対し議事録は「太平洋軍司令官の証言の訂正」を掲載。「日本には管理工業施設はない。CIFは、原子力軍艦に関連した、陸上で行われる放射線作業を支援するため、米国内にだけ存在する放射線作業施設である。推進プラントからの放射線を扱う作業は、日本の陸上では決して実施されない」と記述しています。
キーティング米太平洋軍司令官の「訂正」の背景はわかりませんが、仮に「訂正」が事実であったとしても次のような大きな問題が出てきます。
「訂正」の特徴は、日本にはCIFはないとしつつ、放射線を扱う作業については日本の「陸上」では行わないとして、海上での作業を否定していないことです。
GWが停泊する12号バースの根元部分には、米海軍の「放射能関係修理船」に酷似した台船(バージ)が設置されています。昨年1〜5月に行われたGWの定期メンテナンスは、燃料・炉心に直接つながっている原子炉の一次冷却系設備も対象になりました。
「訂正」は、こうした海上にある台船や空母内での作業については触れていません。
米海軍や日本政府はGWの横須賀配備にあたって「日本では原子炉の修理はしない」「放射線管理を必要とする作業はしない」と約束しています。横須賀基地内に設置・停泊している台船や空母での作業が日本で行う作業ではないというのであれば、それは、国民だましであり、大きな怒りを買うのは必至です。
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