2010年1月4日(月)「しんぶん赤旗」
英 消費税減税 の効果
個人消費 1兆円増加
昨年末終了
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【ロンドン=小玉純一】英国政府が実施した付加価値税(消費税)の2・5%減税が昨年末終了しました。労働党政権は景気刺激策の一つとして2008年12月1日から09年末を期限に17・5%の基本税率を15%としていました。食料品、子ども服、書籍などは0%で変わりません。
有力調査機関エコノミストの分析報告は、この減税で68億ポンド(約1兆円)の個人消費が増え、国内総生産を0・5%分押し上げたと指摘。他方で、減税終了が「現れつつある景気回復を失速させる恐れがある」と警告しています(経済ビジネス調査センター=CEBRのヨルグ・ラデケ氏)。
英紙インディペンデント1日付によると英小売協会(BRC)のスティーブン・ロバートソン事務局長は「劇的効果ではないが、13カ月の間、対象商品の売り上げを押し上げた」と評価しています。
小売り大手は減税終了による経費増の価格転嫁を1月中旬ないし月末まで延期する方針です。コンピューターや値札の調整により小売業全体で1億ポンドの負担になると見積もられています。
業界は今年後半まで減税期間延長を政府に求めていましたが、ダーリング財務相は深刻な赤字に陥っている財政を再建するとして、予定通り終了させる方針を明らかにしていました。
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