2009年12月31日(木)「しんぶん赤旗」
抑圧政策解除求める
エジプトがイスラエルに
首脳会談
【カイロ=松本眞志】エジプトのムバラク大統領は29日、同国の首都カイロを訪れたイスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。
首脳会談後、エジプトのアブルゲイト外相は、エジプト側が、「(パレスチナ自治区ガザへの)検問行為などパレスチナ人への抑圧政策を解除し、移動の自由を保障するよう要求した」と説明しました。また同外相は、イスラエル側がパレスチナ人への抑圧措置の緩和を約束したと語りました。
イスラエルは現在、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区全域に検問所を設置し、ガザ地区沿岸や同地区に通じる検問所のほとんどを管理下に置いています。
アブルゲイト外相はまた、首脳会談で注目されていたイスラム武装抵抗組織ハマスが拘束するイスラエル軍兵士の解放問題については、立ち入った論議はなかったとしています。
イスラエル側はこの間、このイスラエル兵の解放を条件に収監中のパレスチナ人政治囚1万1千人のうち千人を釈放すると提示、ハマスのガザ地区指導部と在シリア指導部が対応を協議しているとされます。
一方、イスラエル側は、終身刑の判決を受けている政治囚の釈放はないと言明。釈放対象者のうち約100人についてもヨルダン川西岸地区内のイスラエルに近い都市への帰還は許さないとしています。