2009年12月31日(木)「しんぶん赤旗」
パレスチナ人の高速道使用認める
イスラエル最高裁が命令
軍の交通制限権否定
国内人権団体「大きな勝利」
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【カイロ=松本眞志】イスラエル最高裁は29日、ヨルダン川西岸地区の一部の高速道路をパレスチナ人が利用できるようイスラエル軍に命じました。
問題の高速道路はエルサレムとテルアビブを結ぶ道路の一部、全長20キロの443号。周辺の住民から接収した土地に1980年代に建設されたものですが、2002年に車で通過中の複数のイスラエル人がパレスチナ人によって射殺される事件が発生した直後、イスラエル軍はコンクリート製の分離壁と検問所を設置、パレスチナ人住民の道路使用を禁止しました。
最高裁は今回、道路沿いの6町村のパレスチナ人住民からの請求を認め、軍がこの高速道路をイスラエル人のためだけの交通路とする権限はないと指摘。パレスチナ住民が使用できるよう5カ月以内に分離壁を撤去するよう命じました。
国内の人権団体は決定を「大きな勝利」と評価しました。これに対し右翼グループは異議を唱えています。
パレスチナの非政府組織(NGO)の資料によると、ヨルダン川西岸の主要な道路の74%が通行制限下にあり、通行にはイスラエル軍の個別の許可が必要です。