2009年12月30日(水)「しんぶん赤旗」
ボランティア 若者次々
公設派遣村活用よびかけ
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国・東京都の「公設派遣村」(渋谷区・国立オリンピック記念青少年総合センター)には29日も、「派遣切り」などで仕事と住居を奪われた人が駆け込み、2日間で入所手続きを終えた人が456人(午後5時現在)にのぼりました。
入所受付となった東京・新宿区のハローワーク新宿に隣接する公園には、労組などでつくる「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)がテントを開設。100人を超えるボランティアが参加して生活相談を行うとともに、「公設派遣村」の活用を呼びかけるチラシを都内各所で配布しました。
手元には18円
スーツ姿の男性(39)は「1カ月前、愛知県で派遣切りにあい上京して仕事を探したけどみつからない。もう手元に18円しか残っていない」。ハローワーク前でビラを手渡され、相談に来ました。「こんな取り組みがあるなんて知らなかった。希望がもてました」と話しました。
テントに相談に訪れた人は66人。「4日前に新聞販売店を首になり、寮も追い出された」という男性(27)は、出された温かい紅茶を飲みながら、生活保護制度を利用しアパートに入居できると聞いて、「若くても保護を受けられるんですね。安心しました」と話していました。
「アパートはあるけど、家賃を3カ月滞納して不安です」と訴えたのは、介護で働く女性(24)。低賃金のため家賃や奨学金返済で大半が消えてしまうと話し、緊急融資などの説明を受け「その後の相談にも来てください」と言われると、少し安心した様子で「ありがとうございます」と帰っていきました。
まず住宅保障
相談スタッフとなった自治労連の猿橋均書記長は「派遣切りで住居も奪われたり、貧困ビジネスにつかまっている人がいました。まずは住宅を保障し、憲法25条の生存権を守ることが必要です」と強調しました。
多くの若者がボランティアに参加。民青同盟の田中悠委員長は、「新宿駅近辺でビラを配っていたら、56歳の男性から助けを求められました。もっと宣伝し、公設派遣村を知らせることが必要です」と語っていました。
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