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2009年12月30日(水)「しんぶん赤旗」

カネの疑惑はそのまま

民主、政党助成36億円増

2010年


 民主党は、鳩山由紀夫首相(党代表)、小沢一郎幹事長というツートップが元秘書の政治資金事件を抱える事態になりました。しかし、党としての真相究明は一切なし。8月の総選挙で掲げた「企業・団体献金の全面禁止」の公約もうやむやです。一方で国民の税金である政党助成金はしっかり受け取っています。


 総務省が今年、民主、自民、公明、社民など8党に交付した政党助成金の総額は319億4200万円。民主党は136億6000万円を受け取りました。当初118億3200万円だった同党の交付額は、総選挙で議席増となったため増額。来年の民主党の交付額(試算)は、今年比36億4200万円増の173億200万円となる見通しで、自民党を大幅に上回ります。これまで本部収入の約8割を政党助成金に依存してきた民主党の「国営政党」ぶりが強まっています。

 年額約320億円の政党助成金をやめれば、障害者自立支援法によって持ち込まれた障害者の「応益負担」を医療費も含めて撤回させることも可能です。しかし、鳩山政権は軍事費とともに政党助成金を「聖域」扱いし、10年度予算案には今年と同額を計上しました。

 政党助成金は、政治腐敗の“温床”と批判されてきた企業・団体献金の「廃止」を口実に導入されたものです。小沢氏の西松建設違法献金事件を受け民主党は、パーティー券購入を含む企業・団体献金の全面禁止を打ち出しましたが、総選挙後は小沢氏を先頭に民主党議員や同党県連が相次いで政治資金パーティーを開き、企業・団体にパーティー券を購入してもらっています。政党助成金も企業・団体献金も受け取る“二重取り”です。

 日本共産党は、支持政党にかかわらず、国民の税金が各党に配分される政党助成金制度は、憲法が定めた国民の思想・信条の自由を侵すとして一貫して受け取りを拒否し、廃止を求めています。

表

 政党助成金 1994年の「政治改革」関連法で小選挙区制とセットで導入され、95年から実施。国民1人当たり250円で年総額が算出されます。1月1日現在の所属国会議員数と直近の総選挙、過去2回の参院選の得票率をもとに当初額が決まり、交付を申請した政党に年4回(4、7、10、12月)に分けて配分されます。



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