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2009年12月29日(火)「しんぶん赤旗」
イランデモ 死者8人に
改革指導者が政府を批判
【カイロ=松本眞志】イラン改革派指導者の一人、カルビ師は28日、同国政府の指示によって、首都テヘランで治安部隊が市民の抗議行動を弾圧したと非難しました。同師はウェブサイトで声明を発表、「この国の聖職者統治機構に何が起きたのか。神聖なアシュラの日に罪なき市民の殺害を命じるとは」とイラン指導部に向けて怒りをぶつけました。
現地の市民からの目撃情報によると、テヘランではイスラム教シーア派の宗教行事アシュラが行われた27日、治安当局が市民に対して発砲。政府に抗議する市民派ウェブサイトによると、犠牲者は8人となっており、そのなかには元大統領候補で改革派指導者のムサビ氏の甥(おい)も含まれているといいます。
抗議行動は聖都コム、シラーズ、イスファハン、ナジャファバード、マシュハドなどの都市にも広がり、市民数万人が抗議行動を行ったとしています。
一方、警察側は市民300人を逮捕、騒動に巻き込まれた市民5人が死亡したと発表しました。ただ市民殺害への関与は否定しています。
イランでは、6月の大統領選挙で現職のアハマディネジャド氏が当選。しかし、投開票の過程で不正が行われたと改革派側が批判し、選挙の無効と再選挙を訴えました。しかし護憲評議会は一部で不正の存在を認めつつ、選挙結果は有効だと宣言。政府の対応に改革派側が大規模な抗議行動を行いました。
これに対して当局や革命防衛隊が武力行使も含めた弾圧を実施。ハタミ政権時代の閣僚を含む改革派指導者を次々に逮捕・拘束し、裁判にかけています。市民への弾圧は保守派や聖職者のあいだでも反発を引き起こし、これまで現大統領に集中していた批判は、最高指導者ハメネイ師にも向けられるようになっています。