2009年12月28日(月)「しんぶん赤旗」
米空母配備時の日米「核密約」
新たな文書発見か
米空母ミッドウェーを神奈川県・横須賀基地に配備するにあたって、核兵器を積載したままの入港・停泊を「一時立ち寄り」として安保条約の事前協議の対象外にした「密約」の事実を示した文書が外務省の内部調査でみつかったことを、複数の関係者が明らかにしました。
文書では、ミッドウェー配備に先立つ1972年、大平正芳外相(当時)とジョンソン米国務次官(同)との会談などで、日米「核密約」を空母配備にも適用することで合意したとされます。日米「核密約」では、60年の安保条約改定の際、核搭載艦船の寄港・通過を「トランジット(立ち寄り)」だとして、事前協議の対象外にしました。
日米「核密約」が米空母配備時に拡大されたことについては、2000年の党首討論で、日本共産党の不破哲三委員長(当時)が、レアード米国防長官からロジャース米国務長官に対する書簡を示し追及。その後、国際問題研究者の新原昭治氏がロジャース国務長官から在日米大使館への「極秘」電報で、「母港化した空母(巡洋艦やその他の母港化した艦船も同じ)の寄港あるいはその他の米海軍艦船の寄港はトランジット取り決め(核密約のこと)の部類に入る」とし、「米政府の立場を、日本政府は受け入れている」との記述があることを明らかにしていました。
今回の新文書は、こうした経緯を裏付けるものとみられます。
岡田克也外相の要請に基づき、密約の検証作業を進めている有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)も、関連文書を検証の対象とする考えです。