2009年12月28日(月)「しんぶん赤旗」
6億円の記載なし
“これ以上説明できない”というけれど
小沢幹事長 ゼネコン献金
政治資金収支報告書
準大手ゼネコン「西松建設」の偽装献金事件で政治資金規正法違反に問われた民主党の小沢一郎幹事長の公設第1秘書の初公判で、小沢氏側がゼネコン各社から毎年、多額の献金を受け取っていたことが明らかになりました。しかし、そのゼネコン献金が政治資金収支報告書にはいっさい、記載されていないことが本紙の調べでわかりました。
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18日の初公判で、検察側が紹介した小沢事務所のパソコンから復元した献金リストによると、小沢氏側は鹿島はじめゼネコン8社から2000〜06年の7年間にあわせて6億円前後の献金を受けていました。(図参照)
検察側は、企業からの献金は小沢氏が支部長の政党支部(民主党岩手県第4区総支部、02年までは自由党岩手県第4総支部)、パーティー券収入は、「小沢一郎政経研究会」が、それぞれ受け皿となっていたとしました。
ところが、政党支部の政治資金収支報告書には、献金者として、地元建設業者の名前は記載されているものの、ゼネコンの名前はいっさい出てきません。
小沢一郎政経研究会の報告書でも、00〜06年の7年間に計約9億円のパーティー券収入がありますが、20万円超の購入者名が記載されているのは、1割にも満たない6000万円弱にすぎず、ゼネコンの名前はいっさい出てきません。
6億円前後のゼネコン献金は、ヤミ献金だった可能性があります。
小沢氏には、ゼネコンのヤミ献金疑惑が過去にも指摘された前歴があります。
一つは、金丸信自民党元副総裁(故人)の巨額脱税事件に端を発した1993年のゼネコン汚職の際、明るみに出た清水建設の「ヤミ献金リスト」です。57人の政治家がSA、A、B、C、Dの5ランクに分けられ、小沢氏は金丸氏と竹下登元首相(故人)の2人のSA(盆・暮れに各1000万円)に次ぐA(同各500万円)でした。
もう一つは、鹿島からも盆・暮れに500万円の定期的なヤミ献金を受け取っていたという前歴です。92年12月の500万円については、小沢氏が五つの任意の団体に100万円ずつに小分けして表面に出ないよう処理していたことが明らかになっています。
小沢氏側が、ゼネコン献金をヤミで処理していたことは、常態化していたとみられます。
小沢氏は21日、公設第1秘書の初公判について説明責任を問われ、「私は、全部、(政治資金にかんする)報告書も公開している。これ以上、どうやって説明すんの?」と色をなして反論しました。
しかし、公表している収支報告書には、ゼネコン企業の名前もなく、これで納得しろといわれてもできない相談です。
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