2009年12月26日(土)「しんぶん赤旗」
ベネズエラが国営格安店
全国展開 投機から貧困層守る
主食パン 市場の3分の1に
貧困層を支援する社会変革を進める南米のベネズエラでは、食料品や衣服、薬など生活必需品を格安で販売する国営店を全国にチェーン展開し始めています。投機による価格高騰から国民生活を守り、貧困層に安定的に生活必需品を提供することが目的です。
チャベス大統領によると、新しい店舗チェーンは「社会主義市場組合」(コメルソ)と呼ばれ、アルゼンチンやボリビア、中国などから輸入した衣服や家具、自動車などを販売します。
政府が生産業者から直接輸入し、販売することで、価格を低くし、投機による価格高騰を避けることができるといいます。たとえば同国の国民食であるアレパ(トウモロコシの粉でつくったパン)は、市場価格の3分の1程度の値段で買えます。
首都カラカスでは22日、コメルソの第1号店として、アレパを販売する店舗がオープンしました。
チャベス大統領は同日、カラカスでの演説で、投機が生活必需品の価格をつり上げ、貧困層の生活を直撃してきたと指摘。「われわれは投機を打ち負かさなければならない」と強調しました。
また「コメルソの目的は国民が連帯的な価格で品物を買えるようにすることだ。民間企業は売りたければ売れば良いが、コメルソと競争しなければならない」と語りました。
ベネズエラでは、1999年に誕生したチャベス政権のもと、基礎食料品を安価で販売する「人民の店」(メルカル)を各地に設置。今年からはベネズエラ食料生産販売公社(PDVAL)による食材販売店も全国に展開し、貧困で食事もできないような国民を減らしてきました。コメルソはこれらのイニシアチブと並行して行われます。(島田峰隆)