2009年12月26日(土)「しんぶん赤旗」
「名ばかり管理職」に残業代
二審も支払い命令
東京高裁
「名ばかり管理職」扱いされ、残業代が支払われなかったとして、ソフトウエア開発会社「東和システム」(東京)のシステムエンジニア3人が支払いなどを求めた控訴審判決が25日、東京高裁でありました。原田敏章裁判長は、管理職にあたらないと認めた東京地裁判決を支持し、残業代の支払いを命じました。
ただし、管理職手当を残業代とする社内規定がないにもかかわらず、残業代の一部だと判断し、未払い残業代を減額しました。
原告は、電算労コンピュータ関連労働組合東和システム支部組合員の3人。課長代理職でしたが、監督権限もなく、残業が月200時間にものぼる原告もいました。
一審判決は、部門全体の統括的な立場になく、部下に対する労務管理上の決定権や出退勤の自由もないと指摘。残業代の支払い義務がない労働基準法の「管理監督者」にはあたらないとし、今回の高裁判決も会社側の主張をすべて退けました。
判決後に記者会見した鴨田哲郎弁護士は、「チェーン店の店長に限らず、ごく普通の末端の管理職にも残業代を請求する権利があることを、改めて認識してもらうきっかけになる」と指摘しました。
原告の1人は、「この判決をきっかけに、同じ立場にいる多くの人が声を上げ、残業代を勝ち取ってほしい」と話しました。