2009年12月23日(水)「しんぶん赤旗」

登録型禁止

５年後に先送り

派遣法改正案 ２５日報告へ

労政審部会

　労働政策審議会は２２日の部会で、労働者派遣法改正の報告案を提示しました。「登録型派遣」（仕事のあるときだけ労働契約を結ぶ）や製造業派遣の原則禁止などを盛り込んだ公益委員案（１８日提示）を一部修正したもので、２５日に最終報告をまとめる予定です。

　修正部分は、３年以内に原則禁止するとしている「登録型派遣」について、「禁止が派遣労働者に与える影響が大きいため、施行は段階的に行うべきだ」として、一部業務についてさらに２年間の猶予期間を設けるとしています。対象となるのは「比較的問題も少なく労働者のニーズもある業務」としています。

　公益案では、登録型派遣は通訳など専門業務を除いて禁止するとしましたが、経営側は影響が大きいとして強く反発していました。

　この日の会合で、経営者委員は「登録型派遣は当分の間、猶予すべきだ」（高橋弘行・日本経団連労働政策本部長）とさらに骨抜きを主張しました。

　これに対して労働者委員は「昨年の派遣切りをはじめ、登録型派遣が原則自由化される前から指摘してきた問題が起きた。真しに認めて是正すべきだ」（長谷川裕子連合参与）とのべました。

　製造業派遣の禁止にかんし、「常用雇用」については「雇用の安定性が高い」として例外的に認めることに対して、「常用雇用だといっても安定性が高いとはいえない。問題のある雇用が継続される」（小山正樹ＪＡＭ副書記長）として見直すよう求めました。