2009年12月20日(日)「しんぶん赤旗」
“人間的な労働と生活へ”
労働総研20周年記念シンポ
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労働運動総合研究所は19日、創立20周年を記念して「人間的な労働と生活の新たな構築をめざして」と題するシンポジウムを東京都内で開き、労働者の現状とそれを打開する課題やたたかいの展望について討論しました。
労働者の実態について元ダイハツ労働者の柴田外志明さんが「シンプル・スリム・コンパクト化を掲げて非正規切り、長時間過密労働、調達価格削減が行われている」と報告。
これに対してジャニック・マーニュ共立女子大教授は、「夕食は毎日、家族一緒、日曜日も家族一緒」とフランス労働者の生活を紹介。学費無料、子ども手当など生活や家庭を支える制度が確立されているとのべました。
日本労働者の雇用・生活の危機について、暮らしと経済研究室主宰の山家悠紀夫さんは「構造改革路線による規制緩和と『小さな政府』が原因」と指摘。最低賃金引き上げや非正規雇用の規制など労働環境の改善、社会保障制度の構築で暮らしを守りながら内需主導型経済への転換が必要だとのべました。
全労連の小田川義和事務局長は「安定雇用と生活できる賃金、セーフティーネットと社会保障確立が課題」と指摘。来春闘では、賃上げや派遣法改正などを掲げて政治の変化や国際基準も生かしてたたかうとのべました。
柴田さんは、パートの正社員化や工場縮小による配転強要とのたたかいにふれ、連合労組にも働きかけ、地域の団体と共同で大企業の横暴をただす運動の出番だとのべました。
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