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2009年12月19日(土)「しんぶん赤旗」

小沢氏秘書 公判始まる

西松献金はダミー認識 検察冒陳

ゼネコンに「天の声」


 準大手ゼネコン西松建設から民主党小沢一郎幹事長側への違法献金事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた小沢氏の公設第1秘書大久保隆規被告(48)の初公判が18日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で開かれました。検察側は冒頭陳述で、小沢事務所が東北地方などの公共工事で複数のゼネコンに対し「天の声」を出していたと主張。小沢氏自身の責任も厳しく問われる事態です。


 検察側は、献金元となった二つの政治団体は活動実態がなく、資金も西松から出るなど、ダミー(隠れみの)団体だったと指摘。さらに小沢氏の2人の私設秘書が、ダミー団体の寄付が西松だと認識していたことを示す、複数のメモを作成していたとして、大久保被告は献金が西松からのものと認識していたと主張しました。

 さらに検察側は、小沢事務所が公共工事受注でゼネコン談合への決定的な影響力を持っていたと指摘。大久保被告がゼネコン側からの工事受注の陳情に「天の声」をあたえる一方で、清水建設、鹿島、大林組など複数のゼネコン担当者の供述調書を一部読み上げ、ゼネコン側に多額の献金や選挙での支援をさせていた実態を詳細にのべました。また、大久保被告から「お宅がとった胆沢ダムは小沢ダムだ。忘れちゃ困るよ」といわれたとの西松の東北支店幹部の調書を紹介しました。

 虚偽記載の動機については、特定のゼネコンからの献金が、受注談合への影響力を背景にしたものである実態が公になることをさけるためだったと指摘しました。

 起訴状によると、大久保被告は2003年〜06年、小沢氏の資金管理団体「陸山会」と、同氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部が、西松から受けた計3500万円の企業献金について、西松の二つのダミー団体からの寄付と偽って政治資金収支報告書に記載したなどとされます。

 罪状認否で大久保被告は「西松からの寄付とは思っていなかった」などと否認しました。


 西松建設献金事件 西松建設は、OBが代表を務めるダミー政治団体「新政治問題研究会」「未来産業研究会」を使い、民主党や自民党などの国会議員側に多額の献金をしていました。1995年から2団体が解散した2006年まで続けられ、総額は約4億8000万円に上りました。献金は小沢一郎民主党幹事長をはじめ、二階俊博前経済産業相ら当時の与党幹部、地方自治体首長の政治団体にも渡っていました。二階氏の政策秘書は今月、略式起訴されました。



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