2009年12月18日(金)「しんぶん赤旗」
年の瀬 満席の街頭相談
正月は暖かい部屋で
元派遣「今夜の寝床ない」
東京・蒲田駅前 豚汁など振る舞う
「年の瀬を前に仕事や住まい、健康などで困っている方は、一人で悩まず相談を」―。東京都大田区のJR蒲田駅前で17日、「生活・雇用・法律・健康」相談会が取り組まれました。相談会は4回目。主催は、労組、民主団体などで構成する実行委員会です。
長机といすは、ひっきりなしに訪れる相談者であふれました。
4時間で41件の相談があり、大田労連や大田生活と健康を守る会の役員、看護師、弁護士、日本共産党区議らが対応しました。新日本婦人の会の会員らが用意した豚汁やおにぎり、手作りのお菓子などが振る舞われました。
蒲田駅近くの建設現場で働く男性(54)は、月に5日程度しか仕事がもらえず、住んでいたアパートを出ざるをえなくなりました。金子悦子区議が相談に乗り、18日に一緒に緊急保護施設への入所を申請することになりました。
岡山県出身で、愛知県岡崎市の三菱自動車の工場で派遣社員として働いていたものの辞めさせられ、9月に仕事を探しに上京した男性(39)は、18日から保護施設への入所が決まっていましたが、今夜寝るところがなく、相談に。「所持金も尽き、最近は始発の山手線に乗って寒さをしのいでいました。みなさん親身に相談に乗ってくださり、ありがたいです。頑張って仕事を探したい」
会社の経営危機で生活も成り立たなくなったという会社社長の男性には緊急小口融資を紹介。リストラにあい、言葉があまり通じず仕事探しに苦労している中国人女性(45)は、大田生健会の田中義人会長が同行してハローワークに登録。18日から求職活動をすることになりました。
大田労連の中山六男議長は、「住まいを失った方が正月を暖かい部屋で迎えられることになり、相談会をやってよかった。貧困と格差をなくすため、鳩山政権は、労働者派遣法の抜本改正などを先送りせず進めるべきです」と話していました。